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「君たちはどう生きるか」をみて

 君たちはどう生きるかをみてから大体一ヶ月が経ちました。
公式からも情報公開され始めたので、感想的なものを書いてみたいと思いnoteを広げてみました。

 というのもこの映画を一人でみてそのまま帰宅、その後何人かの人と会った際に感想を言い合おうと思ってもそもそも皆みていない。
仕方ないのでWebラジオを聞いたり、感想を問われたときに頑張って言語化したり、イマジナリーフレンドと対話して感想が固まってきたような気がしたので一旦整理のためにもここに書いてみたいと思った次第。

 以下が自分が参考にしたWebラジオの感想回(あとはTwitterで放流された文章を流し見したりした)

 上の2つのラジオ、どちらもオタクが楽しそうに好き勝手、バズ目的とは遠い所でやんややんや言っている感じがするので好きなチャンネル。おすすめ。

 開幕から感想の感想になってしまうのですが、この2つ、ほとんどが作品自体の感想というより作品に込められたメタファーの考察がメインとなっている気がする。
この作品はたしかに観ているとストーリーに込められたなんやかんやが透けて見える気がするので、そういう話がメインになってしまうのは仕方ない気がする。
しかし自分はそういうのは置いといて作品そのものの感想が言いたい。言いたいのにイザしようとすると出来ない。

 なのでもっと分かりやすい所から始めようと思う。

Q.「君たちはどう生きるか」は面白かったか
A.分からない

 分からない。けど分からなくて良いのかなって今は思っている。
ので、先に結論から

Q.「君たちはどう生きるか」はどうだったか
A.良かった

 「君たちはどう生きるか」、情報が一切公開されずネタバレを踏んでいないまっさらで見に行けた。面白い映画って聞いて敢えて情報を確認せずに映画を観た、という経験はいくつもあったがここまで秘匿された状態で見れたのは自社ブランドに自身がありすぎるジブリにしかできないので、そういう経験も踏まえて良かったと思えた要因の一つだ。
本編が始める直前の暗転、からのそこに映し出される映像をたよりに時代設定の想像、そして始まる予習もなにもないストーリー。あのワクワク感は何にも代えがたい高揚があった。

 一度しか観ていない、一ヶ月も経っている、情報の処理が追いつかないなど様々な理由があってどのシーンのアレが良かったなどの感想があまり具体的に出てこない。

 『情報の処理が追いつかない』、これには訳があって、先に言った通りメタファーが透けて見えるからだろう。
この作品は宮崎駿の人生を落とし込んで作られた作品だと思う。
だから自分みたいに半端な知識で観に行った人やあまりジブリの作品に入れ込まなかった人が「つまらなかった」「意味分からなかった」という感想をこぼしているのだろうと推測する。前提的な知識がないからキャラやシーンに宮崎駿の半生をはめ込むのにメモリが持っていかれていたから処理出来なかった。

 前提的な知識な作品、だとは確固たる信念を持って言っている訳ではないが「君たちはどう生きるか」は(現代)アートみたいな作品だと自分は思った。

 (現代)アート、かなり薄い知識を聞き齧った情報だが、(現代)アートとは造った人、背景やその他の多大な影響があった上で評価されるものらしい。
おれでも書けるじゃん!!みたいな絵でもそこに至るまでの経緯や意味合いや積み重ね、キャプションを通してみたときに初めて評価がでる。ってなんかに書いてあった。

 「君たちはどう生きるか」は宮崎駿が裕福な家庭に生まれ落ち、早くに母親を亡くし、アニメーションで評価をされて、鈴木敏夫や高畑勲と出会いスタジオジブリを作り、13もの作品を作り上げたからこそできる生まれた作品である。
宮崎駿以外の人がつくった作品であったのならば絶対に評価されない作品である。

 なので知らない人からしたら分からない作品になるのは当然。だから自分がこの作品の感想を分からないと言ったのはそれも一つの正解だ思っている。

キービジュアルとタイトルのみしか公開されていない「分からない」作品をみて「分からない」という感想を持って帰宅した。それはジブリの宮崎駿だからこそ創ることができた映画体験も含めての作品である、と思ったときに初めて「君たちはどう生きるか」を観て良かったと思えた。

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