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面接している立場から思うこと

立場上面接をすることが多く、特に最近増えてきています。そこで改めて面接について思ったことがあるので、もしこれから面接を受ける人に少しでも役に立つことがあればと思って備忘録も兼ねて書いてみます。

この記事が役に立つかも知れない人

・外資系の面接を受ける(コンサルとか金融とかのお堅い系ではないところ)
・中途採用

自分自身が成功・失敗も含めてたくさん転職、面接を経験してきたのでそれ以外の方にも参考になるところもあるかもしれません。ただ自分自身が外資の似たような業界で転職を繰り返してきた人間なので、それ以外の世界のことがわからずすみません。

面接に臨む前に

1. 会社の基本的な情報は調べて、何らかの意見を持って来ましょう
たまに会社のことを何も知らないで面接に来る人がいます。会社の規模や知名度、得られる情報も様々とは思いますが、少なくともインターネット上で取れる基本的な情報は一通り見ましょう。それすらない状態で来られると、よっぽど興味がないけどエージェントに言われたから来てみたか、情報収集能力もない人と思われるかのどちらかです。前者はまれに良い出会いにつながることもなくはないですが、ほとんどのケースお互い時間がもったいないだけです。

もちろん他業界からの転職であれば深い知識は求めませんし、やたら知識だけを詰め込んできてほしいとも思いません。大切なのは得られた情報に対して、何らかの意見、もしくは感想でも良いので語れるようにしておくことです。

意見は難しいものではなくても、消費者としての感想でも構いません。ただし専門分野やレベルによってはご自身の専門分野に絡めて突っ込んだ質問が来る可能性もあるので、ご自分なりの意見を用意しておきましょう。それが当たっているかどうかも大切ですが、まずはそこまで考えてきた、もしくは考えられるということが重要です。

2. 可能ならば会社の社風・雰囲気に合わせましょう
業種・職種によりますが、極端な例として例えばファッション企業のマーケティングに応募するのに服装に関心を払わないのは(そんな人はそもそも応募しないと思いますが)かなりのチャレンジだと思います。また、ファッションブランドのようなブランドへの情熱がという側面も大事な会社では、仮に経理や総務のようなお仕事であっても興味がないことが致命傷になったりする場合もあるので気をつけましょう。

なお、仮にファッションに関心がある、注意を払っている場合でも「あの人うちのブランドの雰囲気やテーマに合わない」と見なされて残念な結果に終わることもありますが、仮にそのような状態で入社しても後々そのギャップに苦しむ可能性もあるので、それはむしろ入る前にわかってラッキーだった、ご縁がなかったと思うしかないと思います。

わかりやすい例としてファッション業界をあげましたが、それ以外でも特にブランディングを重視する会社では似たようなことが起こりますので、その会社が大事と思っていることに合わせられるのであれば合わせた方が良いと思います。

3. 一般的な面接問答集にあるような質問への答えは準備しておきましょう
これは言うまでもないですが、職務内容に直結すること以外になるとまったく言葉が出てこなくなる人がいます。会社や職種に関係ない一般的なポイントは一度考えればずっと使いまわせますから、ぜひ考えておきましょう。

面接に向かう時

1. 早めに到着しましょう、でも早すぎるのもNG
うちの会社は時間ゆるめの外資系なのであまり気にしない気もしますが、複数の面接官の中には厳しい人がいる可能性もあるので油断禁物です。焦るとそれで平常心保てなくなる方もいるでしょうし。

なお、あまり早く来られると会議室が空いていなかったりして人事の方が焦るので、それもやめた方が良いでしょう(というか、社会的常識が?となる可能性大です)。

こう書いている自分は新卒の時に面接に大遅刻したが結局その会社に入社したとか、新卒の時にやはり遅刻してご縁もなかった会社に後から転職したとか(しかも人事担当が同じ)、人に偉そうに言う資格はまったくないラッキーな人間です。

面接中

1. 挨拶は元気に
元気すぎる必要はまったくないですが、元気に、そしてできれば笑顔で挨拶していただけるとこちらも同じく元気に明るく入りやすいです(どなたにもそうするようにはしていますが)。

これは外資系も何も関係ないと思いますが、誰しも元気で明るい人とコミュニケーションしたい、働きたいと思うのではないでしょうか。初対面、明るく挨拶するだけで少しプラスになり、かつ相手の心もそれでオープン気味になれば、その後も話しやすいというものです。

2. 要点から話しましょう
今までの経歴や業績をきちんとアピールしたい気持ちは本当によくわかりますし、初めて話を聞くこちらにとって丁寧に話してもらえるのはありがたいことでもあります。

ただ、異文化コミュニケーションが当たり前の外資系の常として業務では「簡潔に、結論から言う」ことが求められるので、それができない人と思われると不利になってしまうかも知れません。

特に外国人との面接の場合は言語の違いで更に要点がわかりにくくなると思うので、まず簡潔にポイントを伝える、そして必要であればその後の会話で補うという気持ちでいた方が良いように思います。

3. 成果はなるべく定量化して、ベンチマークをつけて伝えましょう
売上をすごい伸ばした、と言われてもそれが10倍なのか100倍なのか1000倍なのかわかりませんし、また違う業界だと比較対象がないとせっかくの良い成果でも伝わりにくいことがあります。

もちろん秘密保持の観点からズバリの数字は言えないことがほとんどかと思いますが、相手にそのレベル感が定量的に伝わる何らかの情報は用意できるならしましょう。

特にマネジメントが相手の場合、その人が今応募している職種の専門家ではないことが良くあります。その場合現場の苦労や質的な成果はわかりにくいので、ビジネスへのインパクトを定量的に伝えないと成果が全く伝わりません。

4. 質問お願いします
質問のチョイス、相手によるので本当に難しいと自分自身でも思います。でも、質問が全くないとやはり「よっぽど興味がないけどエージェンシーに言われたから来てみた」パターンだなと思わざるを得ません。

こちらとしてもきちんと会社のこと、業務はもちろん文化的な側面や社風も含めて理解した上で来てほしいので、遠慮せずに聞いてほしいと思います。面接は会社が個人を選ぶ場であると同時に、個人が会社を見極め、選ぶ場でもあります。

こんな質問して大丈夫かな…と思う気持ちもわかりますが、質問の内容自体で合否が決まることは経験上はほぼありません。だいたいその前に勝負はついています。

面接後

1. 復習と予習をしましょう
仮にうまく受け答えできなかったと思ったポイントがあれば復習、そして次への予習をしましょう。次の面接者も当然同じ会社の同様の分野の方であることが多いので、同じことを聞かれる可能性はあります。

特に複数の面接官がいる場合、「次の面接ではこういうところを突っ込んで確認してほしい」と気になるポイントを申し送りすることがあるのでまた狙われる可能性大です。

最後に

思ったより長くなってしまいました。まだあるかも知れませんが、それはまたまとめていつか書きたいと思います。

そして「面接している立場」からなどと偉そうに書きましたが、自分も面接何度も失敗しています。本気で受けに行ったものもあれば、競合の情報収集的に行ったものもありますが…それでも気持ちの良いものではありません。

ただ、よく「ご縁がなかった」という言い方をしますが、仮に面接で落ちたとしてもそれは「あなたはダメだ」と言われているのではなくて、「今はこの職種に合うタイミングではない」もしくは「会社との性格が合わない」というようなことだと思います。なのでガッカリしないでというのは無理ですが、合わないところにうっかり入ることがなくてラッキーだったと思うようにすると少しは気持ちも変わるのではないでしょうか。

外資系ということもあってか、実際入ってからまったく合わずに苦労する方、そして短期で去っていく方も少なからず見ているので、面接で「お互いに」相性を見極めることは面接に成功すること以上に重要だと思います。

面接はゴールではなくスタート、ということですね。


最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。これをご縁にどうぞよろしくお願いします。

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