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今回の人生で残すことができる最高のギフト。

バラナシにいます。
まさにガンジス川を眺めながら執筆しています。

バラナシを流れるガンジス川沿いのガートではインド中の亡くなった方々が火葬されます。
3500年もの間守られ続けている種火から分けられたその炎は、24時間365日絶えることがありません。

そんな神聖な場所をしばらくの間眺めていた僕は、ちょうど隣にやってきたババジに尋ねました。

「家族を亡くした人たちは、悲しくないのですか?」

というものそこにいた人々は、誰一人として涙を流していなかったからです。

すると、ババジは答えました。

「みんな心では大いに悲しんでいます。けれど、涙を見せると死者の魂を引き止めてしまうのです。そうすると、死者は宮殿(天国)に入れなくなってしまうのです。」

そんな質問をしたくせによく思い返してみると、僕は父が亡くなって以来、いまだに一度も泣いていません。
それは我慢しているのでもなく、悲しくないわけでもありません。

僕から涙が出ないのは、
「父の人生は幸せだった。」
と確信があるからなのだと思います。

逆説的ではありますが、父が天国なり宮殿なりに召されて幸せである確信があるからこそ、僕は泣かないのだと思います。

そしてその確信は、他の誰でもない父が人生をかけて僕にくれたものなのです。

ですから、僕も幸せな人生を選択しなければならないのだと思います。

僕にいつかお迎えが来た時、残された家族に「あの人はとても幸せだった。」と思ってもらえる人生。
その確信こそが、この世に残していく大切な人たちへの何よりのギフトなのかもしれません。

念のためですが、これは「泣いてはいけない」というお話ではありません。
「泣かせないような人生」を送りたい、というお話です。

本日も文末までお付き合いいただきありがとうございました。

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