合唱と合奏

今日は音楽の話
合唱とは複数の人々が一緒に歌うこと
合唱も音楽の歴史とともに発展し変化をしてきた
音楽の歴史の中でも 人の声と言う素材と器楽の関係は
相互にコラボレーションを繰り返しながら発展してきたわけだが
本来必ずしも相性が良いものではなかった

西洋音楽史の中でも17世紀頃の器楽の発達とともに
人の声と器楽の組み合わせは 歌曲、オペラ、宗教曲等の
限定的な場面での共同作業に限られてきたと言っても良いかもしれない
もともと16世紀に発達した中世音楽の時代は 
教会の中でも、あるいは教会の外の世俗的社会でも
多くの作曲家たちが合唱作品と言う形で
西洋音楽を発展させてきたのだが。

人間の声と言うのは単なる音素材としてのあり方とともに
言葉が最も重要なファクターである事は言うまでもない
言葉によって表現される世界と器楽で表現される純粋音楽としての音の世界は
哲学的に見ても次元の異なる世界である
このことは器楽と対比するまでもなく、そもそも 歌 と言う世界は
音楽的要素と言語と言う異次元の世界が1つに合わさったものなので
それを鑑賞する場合に脳内では複雑な処理が行われているものと思う
ラップと言うジャンルは 歌の音楽的要素からメロディーを除き
リズムを前面に押し出した 新しい試みとも言えるだろう

器楽の世界においても
表題音楽や情景描写など言語的世界への介入の試みは
現代音楽に至るまで 常に行われてきたが
人の声による音楽の世界も 
精緻なボーカルアンサンブルやアカペラ、ボイパ など
器楽的世界への挑戦も近年は盛んである

合唱の指導者等においても その言語的要素を強く求めるタイプと
器楽的要素としての音楽アンサンブルの仕上がりに重点を置いていくタイプと
二通りいるような気がする
合唱組曲と言うジャンルはおそらく日本以外にはないと思うが
おそらくは日本人の脳内の言語や音楽に対する感性の特異性と
関係があるように思われてならない








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