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『セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿』

【 ネタバラシはありません 】

『セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿』

著者:古野まほろ
出版社:角川書店
発行年:2014年1月30日


(内容紹介)
 無駄な知識と煌めく直感、あとはすべて助手任せ。
 強気、天然、Eカップ。美しすぎる女子高生探偵登場!


 再読。大学生の頃にツイッター経由で知り〈天帝シリーズ〉に淫していたあの頃を思い出します。図書館で1作目を読み、手元に置いておきたいがために新刊書店・古書店を巡り講談社ノベルスの棚を見て回ったときは若かったです。もちろん幻冬舎文庫で出た新訳版も揃えました。本書は、そういう思い入れが深いシリーズの派生した物語です。4篇収録されています。「獅子座連盟」、「赤いルピア」、「だんだらの紐」、「六つの家康公」。本書序盤で開示されているためネタバレではないと判断し紹介しますが、〈穴井戸栄子からのごあんない〉の通り、これらはコナン・ドイルが書いたホームズ譚のオマージュとなっております。それぞれ「赤毛連盟」、「青いガーネット」、「まだらの紐」、「六つのナポレオン」! 懐かしいです。最後に読んだのはいつだろう……と思うくらい結構昔の話です。しかし、どれも印象深いエピソードでおおまかなストーリーは覚えているので、それらを想起しながら各短編を楽しみました。また、本書で登場する方々すべて個性的なので初見でどう感じるのか、すでに感覚が麻痺している私が推し測ることはもう不可能です。ただ、本書を読む前に〈天帝シリーズ〉もできれば読んでほしいですとも軽はずみに言えないのもまた悩ましきかな。いろんな人生があります。……あと、本書を読んでいると翻訳小説のように所々注釈が挟まるので何だかおもしろいです。三河の方に関する知識も増えていきました。

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