『絶叫城殺人事件』
【 ネタバラシはありません 】
『絶叫城殺人事件』
著者:有栖川有栖
出版社:新潮社(新潮文庫)
発行年:2004年2月1日
------------------------------------------------------------------------------------
(内容紹介)
「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が――。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壺中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。
------------------------------------------------------------------------------------
どの短編も、「建物名」+「殺人事件」で統一されています。こういう趣向は何だかワクワクするので好きだなあと思いました。
〇「黒鳥亭殺人事件」
こくちょうてい。アリスの『アリとキリギリス』が好きではない理由を読んだとき、こういう考え方もあるのかと妙に納得しました。
〇「壺中庵殺人事件」
こちゅうあん。壺を被っている死体に密室の現場、こういう状況設定を思いつくのすごいです。
〇「月宮殿殺人事件」
げっきゅうでん。孤高のホームレスが建てた違法建造物。本編が一番好きです。
〇「雪華楼殺人事件」
せっかろう。若い男女の逃避行の結末に、刹那的な感情になりました。
〇「紅雨荘殺人事件」
べにさめそう。なかなか複雑に入り組んでいました。
〇「絶叫城殺人事件」
ぜっきょうじょう。表題作。本編が一番「夜」の匂いがして、あらすじの通りに確かに暗鬱になりました。また、アリスの〈心の闇〉に対する思いが吐露されている場面があります。安易に使うのはやめようと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?