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ムーラン・ルージュ!で最高なのは天才的なライティング演出ですよね

史上最高のスペクタクル。
あなたの情熱が湧き上がる泉、あなたの欲望がたどり着く絶頂。
そう。
MOULIN ROUGE!
THE MUSICAL!

帝国劇場にて上演中のムーラン・ルージュ!に行ってきたわけです。

去年の日本初公演も観に行って、すぐに再演が決定し、それを楽しみに今日まで生きてきたわけですが、来年は何を楽しみに生きていけばいいのやら。

さて、ミュージカルって何がいいのか。
歌のない演劇と比べると、ショーの要素が強いから繰り返し観たくなるのかもしれないですね。
好きな映画は何回も観るかもしれないけど、短期間で繰り返し観はしないかもしれない。でも、好きな曲とかは繰り返し聴きますよね?たぶんそれに近いのかなって思ったり。

ミュージカルは、基本的に1公演につき2回以上は観に行きます。1回目は純粋な観客として、物語や音楽に何を感じたか考えるため。2回目以降は、演出や自分が感動した場面の理由を探したり、その感情・感動を引き出すための演出は、何を使っているのか考えたり、その日によって役者さんが発する言葉も動きも若干違うので、それによって感じる役の印象の変化とかを楽しんだりしてます。
座る席でも見え方が全然違うのでね。

さて。ムーランルージュは言わずもがな天才的で最高のミュージカルなんですが、なぜそこまで惹き付けられるのか。

1番はもう、

天才的なライティング演出

ですよね。

もちもちのろん、役者さんたちの圧倒的、高技術のパフォーマンスもそうなのですが、あんなライティング、ミュージカルの中でも相当珍しくセンス爆発してるんですよ。
今までの何百の作品を観てきた私からすると、かなり稀有な作品だと言いたい。あんまり断言すると、他の作品がダメみたいだけど、違うんだ。演出は様々だから良い悪いとかじゃなくて、違うんだ…っ、わかってくれよ…っ、リュークッ…ッ。

私的オススメのライティング演出

  1. 天に召される瞬間に広がるスポットライト

  2. 悲しみの中、皆が去っていく背中を印象づける演出…!!

  3. 言わずもがなガーガーウララーのダンスシーン

他のシーンもオススメポイント無限にあるんですけど、まぁ、強いてあげるなら上記3つ!!!

1の天に召される瞬間も、そこまで珍しい演出ではないと思うんですけど、聞いてくれ。
サティーンが天にのぼっていく瞬間に、ライトが広がって、周りにいる友人達を照らすわけです。ただ、役者達が上を向いただけでは、伝わりづらい昇天感を上手く引き出してますよね。サティーンが天に昇って周りを照らしているように見えたり、雲が消えて青い空が出てきたような安心感、幸福感を感じさせるような気持ちにもなります。
あと、ライトの数が多い。え、そんなとこにもライトついてんの?と思うくらい、色んな角度、場所からライト出てくるんですよ。そんなに細々としたライト演出をするのって、決して安い予算じゃできないんだろうな、なんて想像してしまうくらいに、人間の細やかな感情を表現するのにライトが多用されているんです。(コメディちっくな演出にもたくさん使われてるよ。)

ちょっと絵画的、テレビ的?なイメージをもつシーンも多くて、1つの場面を切り出しました。みたいな2次元的表現も所々に散りばめているので、それもまた良いわけです。(伝わらないよね。本物を観てね❤)

さてさて、2の『悲しみの中、皆が去っていく背中を印象づける演出…!!』は私がベストで(演出が)好きなシーンなんですけど、サティーンが亡くなってしまい、皆失意の中、お互いに肩を組んで去っていくんです。
そこで、注目したいのが、舞台の前半分(観客席側)にライトを当てて、後側(観客席から見て奥)は真っ暗なんですよね。ライトを越えて去っていく背中が、置いていかれたクリスチャンの切なさを際立たせていくわけです。
スモークをたいて、ライトの線(上から注いでくるライトのライン)を強調させることによって、去っていく人達とクリスチャンをハッキリと線引きしているわけですよ。そして、ライトの色はブルー、お墓にいるような切ない暗さを感じさせてくる。とっても好きな演出なのです。このシーンは2階席から見るのがオススメ✨

3の『言わずもがなガーガーウララーのダンスシーン』ダンスに合わせた完璧なライティングでテンションMAXにぶち上がるのはもちろんなんですが、私のイチオシは、全体が真っ白のライトだけで照らされる瞬間。
そこで気づきますよね。「あ、今までのライトって白じゃなかったんだな」って。
白って200色あんねん、って言うのは半分冗談ですが、舞台上に向けられているライトって実はただの白じゃないんです。私達が日常的にみている昼白色とは、当たり前に全然違うライトなんですが、例えば、バレエの舞台は肌が美しく見えるためにピンク色が入っていたり、現実とは違う色味が投影されているわけです。
そこで、あ・え・ての真っ白なライトを(恐らく)真正面または下向きからダンサーに当てることで、人間の肉体がよりくっきり、ハッキリみえますよね。若干生々しいくらい。ダンサーの肉体美や動きを究極に引き出して観客に印象づけるという、これこそ、舞台でダンスをみる醍醐味だなって、ミュージカルという話の流れでしか演出できないことじゃないですか。物語やその前提があるからそこ、そことの比較で生み出される、生々しさっていうスンバらしい演出ですよね。
ちなみに、真っ白って表現してますが、専門家からするとまた違ったライティングなのかもしれない。そこの表現は許して。_(._.)_

ちなみに、ライティング監督はJustin Townsendって方で、当たり前だけど沢山の賞を受賞してた。ムーランルージュだけでトニー賞、ドラマ・デスク賞、アウター・クリティックス・サークル賞だってさ。ですよね。そうなってくると、この方の他の舞台もみたいけど…っ、まだ日本に来てない作品多すぎぃ…。

まぁ、こんな風に1つの演出とっても、ミュージカルというのは大変面白いものなので、皆様もぜひ自分の好きポイントをみつけて観てくださいませ。ませ。

と、色々語ってしまいましたが、もっと言いたい。好きなシーンがいっぱいありすぎて…

他にもムーランルージュがなぜ、人々を熱狂させているのかっていうと、非常にエロティックでありつつ、圧倒的な歌やダンスで他人を魅了するアーティスト達に自分を投影しているっていう面も大きいのかなって思いますよね。
皆、強気でセクシーでオラオラしたいですよね。あんなに大胆な服を着てるのに、媚びるどころか支配されてしまいそうなカッコイイ演者たち。憧れるぅぅ〜。

来年も再演希望。
私も輝くダイヤモンドになりたい。

聖菜

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