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【ブルベレポート】ISAN2024 1日目【タイ】

午前六時に目を覚す。ついにスタートの日がやってきた。
まずは朝食だが、ちょっとイマイチな品揃え。糖質を取っておきたいのでジャムを塗ったパンとカップケーキをいただいておく。

朝食

朝食を食べ終えてから、荷物と輪行ケースを宿に預ける。ゴール後に後泊もすることを条件に荷物を預かってもらうのは特に海外RMでは有効なテクニック。スペースがないなどの理由で断られる可能性もあるので、予約時に交渉しておくのが確実だ。
宿を出てスタート地点のカオケーン公園に移動すると、大勢の参加者が集まっていて記念撮影などをしている。

スタート直前

予定されたスタート時刻の午前七時前、カウントダウンが始まった。それの終了と共にサイレンが鳴らされ、参加者が次々と出発していく。ついにISAN2024のスタートだ。
そんな様子を眺めながらタイヤに空気を入れている生郎さんを待っていたら、他の日本勢三人は先にスタートしたのか見当たらない。そのうち合流できるだろうとほかの参加者たちに混ざりゆるゆると私たちも後方からスタートした。初日は約350km、仮眠所のあるWhat Phrai Phattanaという寺院が今日のゴールだ。

そこそこのペースで前にいる参加者集団を追い抜きつつ、三人を探すがなかなか見当たらない。さらにペースを上げつつ、単独走で集団をいくつか追い抜くがやはり見当たらない。ついに先頭集団以外を追い抜くがやはり居ない。どうやらハイペースな先頭集団に乗って行ってしまったようだ。すでにかなり離れてしまっており、単独で追いつくのは厳しいと判断しここからはマイペースで行こう、としばらく走っているとPEKOさんとkotonohaさんが道の脇に止まっていた。
スタートして40分、早くもkotonohaさんがパンクした様子。修理を待って再出発した。

スタートから40km、大きな道を外れ路面の悪く細い道に入ってしばらくするとコンクリート舗装の激坂が見えてきた。しかも一部は絶賛工事中だ。押し歩く参加者もいる中で、なんとか乗ったまま2kmほどの登りをクリアした。

坂のピークを超え、アスファルトが剥がれていたり穴が空いていたりとかなり悪い路面を下っていく。広範囲の横割れにいけるつもりで突っ込んだら後輪がリム打ちでパンクしてしまった。チューブを交換し、気を取り直してリスタートするも2分後に再びリム打ちでパンク。しかもなんと今度は前後輪同時だ。今思えば空気圧計無しでタイヤに空気を入れていたので、空気圧が普段より低過ぎたのかもしれない。ガーミンの気温計が早くも30℃を示す中、ゲンナリしながらチューブを交換する。4本もあった予備のチューブは早くもゼロだ。

大活躍する電動ポンプ

もうパンクしないでくれよと祈りつつ、無事に下りきり路面がまともそうな道に合流することができた。

それにしても暑い、まだ午前十一時だというのにガーミンは35℃と表示している。CAMELBAKの保冷ボトル程度の保温力では中身が速攻でお湯に変わってしまう。サーモスの魔法瓶タイプの保冷ボトルを持ってきて正解だった。

暑さから退避する参加者たち

途中セブンイレブンでアイスキャンディーを食べたりしながら進むこと118km、ようやくCP1のセブンイレブンに到着した。ここまでは5時間半、パンクを繰り返した割には悪くないペースだ。ISAN2024のスタッフがいたのでチューブがないか聞いてみると、25Cのチューブを一つ売ってもらえた。28Cのタイヤを使っているのでサイズは少し小さいがとりあえず無いよりはマシだ。。

ちょうど12時半で昼時だったので近くの食堂に入って昼食をとることに。
一方、後ろを走っている生郎さんからは「足がつって動けない」、我々より先行しているアンドレイさんからは「何も食べられずすぐに吐く」という悲痛なメッセージが届く。寒い日本の冬からいきなりの猛暑、暑熱順化もできていない体では無理もない。

気温が40℃に迫る暑さの中、PEKOさんkotonohaさんと再スタート、何度かのクールダウン休憩を挟みながら229km地点にあるCP2のセブンイレブンに到着した。
時刻はちょうど18時、気温が下がるのを待つついでに近くのお店で夕食にしようということで、PEKOさんが見つけたタイスキのお店に飛び込んだ。3人で食べて合計300バーツ(約1,200円)、驚きの安さだ。

タイスキ

陽も落ちて快適になった道をCP3へひた進む。
いよいよ今日のゴールまで残り1km、最後の丁字路を右に曲がり最後の登りへ差し掛かる。なんかすごいたくさん犬がいるんですけど!?
タイでは野良なのか飼われているのか分からない犬があちこちにいる。その犬も様々で、自転車で近づくと吠えながら突撃してくる犬もいれば、寝たままの犬もいる。狂犬病リスクがあるので攻撃してくる犬からは逃げるか追い払うしかない。そうでなくても噛まれたくはない。文字通りこちらも必死だ。
不審な動きをする犬は二人に追っ払ってもらいつつWhat Phrai Phattanaに到着した。先行していたアンドレイさんの自転車もある。すでに到着して寝ているらしい。

What Phrai Phattana
寺院の敷地内にも犬がたくさん

ここでは仮眠所の他にもシャワーと無償の食事が提供されている。PBPやLELでもあったやつだ。まずはシャワーで汗を流そう、ということでスタッフからタオルと石鹸を購入し、シャワーを探すがそれらしいものは見つからない。聞くとトイレにあるらしいが、どの扉を開けてもトイレと蛇口、手桶しかない。つまり手桶で水を体にかける行水スタイルで体を洗えということらしい。もちろん蛇口からはお湯など出ない。冷たい水だ。

シャワー?

しぶしぶ水で汗を流し、寝る前に栄養補給として鶏肉の入ったお粥的なやつを食べた。あとは寝るだけだ。

仮眠スペースに指定された建物内に入ると、そこにあったのは枕のみ。事前にみた画像だとマットレスがあったが、先客たちは皆この床で死んだように寝ているのでこれ以外は何もない様子。出家しにきた覚えはないのだが?

仮眠所

仕方がないので空いているスペースで横になる。仏像に見守られながら、もう二度と寺院の仮眠所は使わない、と心に誓いつつ眠りについた。
続く……

1日目

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