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ハクオー関西旅 2023年秋

JR神戸線「甲子園口」駅

先日、取材で関西を訪ねた。
暑くも寒くもない時期に旅をできるのは嬉しいね。いつものように早めに着いて、取材地周辺をうろうろ。兵庫県の西宮市は甲子園口(こうしえんぐち)というエリア、初訪問。

歩いていて気になった『桔梗堂』さん、名物「白玉しるこ」の文字が気になる。冷蔵庫に並ぶミニカップ、冷やしなのか……10月に入ってもまだ冷やしを出すなんて、よほど人気なんだろうな。

ひとつ買ってみよう。

こ・れ・が! 大当たり。
なんと柔らかな白玉団子、そしてあんこのなめらかなこと。甘さも程よく、香りよく。しばし感激。

店内に2席ほど腰かけられるところあり。うん、これは送料を払ってでもまた食べたい。いいものと出合えたぞ。

はじめて歩くエリア、検索してめぼしいものをチェックしてから周ればいいんだろうけど、それはしたくない。効率とか考えずあくまで、ぶらつきたい。気の向くまま歩きたい。その中で出会えるものにこそ縁があるというか。

武庫川
ムクゲがまだ咲いてますね

しばし、住宅街散歩。
ノウゼンカズラやサルスベリがまだ咲いていて、キキョウやハギはこれから盛り。夏の花と秋の花が入り混じる今の時季が一年でいちばんいいときだなあ……と毎年思う。

カラスウリの花、いつ見てもユニークなデザインだ
神社に咲いていたキキョウ。桔梗堂さんといい、今回はキキョウづいている
小曽根(こそね)町、というエリアにありました

散歩するうち、こんもり茂った木々が気になり、近づいてみれば白山姫神社というおやしろだった。いい佇まいに惹かれてお参り。
「どこか旅したら、そこの氏神(うじがみ)さまにまずご挨拶するんだよ」なんて昔、誰かに教えてもらったな……どなただったか思い出せない。

取材がうまくいきますように、とお願いする。

ひとつめの取材を終えて、JRの駅に戻り大阪へ。しかし尼崎市や西宮市と大阪市って、本当に距離感近いんだな。

2件目の取材も無事に終了、夜は天王寺エリアで飲むことに。大阪の酒場に詳しい今野ぽたさんが案内してくれるという嬉しい展開になった。

ぽたさんは前回の大阪イベントの際、ライターのスズキナオさんが紹介してくれた方。noteに毎日書かれている日記、引き込まれるんだなあ。

引き込まれるといえば、↑ の写真の「酒のれん」。こんなん足止めてしまうでしょう酒好きなら。入ってみたら小ざっぱりした角打ち風立ち飲み屋さんで(隣が酒店なのかな?)、仕事帰りらしき男性数名がみな揚げものをアテに飲んでいる。「フライ、こっちにも」と常連らしき人がオーダー。気になっていたら「フライ、海老といかが2匹ずつよー」とおかみさんが教えてくれた。気さくな感じにホッとしつつ、ビール大瓶とフライを注文。

「撮っていいですかー」と聞いたらおかみさん、揚げる手を止めて微笑んでくれた

「ここは滅多にやっていないんです、はじめて入れた、嬉しい!」とぽたさんはちょっと興奮気味である。「ソース借りるよー」と奥のお客さんが話しかけてきて、「じゃこ、うまいで」なんて別の方が教えてくれた。店の空気が柔らかくて、大阪で飲んでるなあ……と思う。私も嬉しくなってきてビールをグッと飲み干す。目の前で揚げてくれたフライ、海老が特にうまかったな。オール巨人さんの声によく似たお客さんがいて、また素人とは思えないなめらかでテンポの良い語り口までちょっと似ていて、どうにも耳がいってしまう。

こちらの店、看板はなし。Googleマップにも載っていない。そんな店がまちにはひとつふたつあってもいい。また行けますように。

ぽたさんが2軒目に連れてきてくれたのは、天王寺駅にわりと近い『花野商店』、角打ちのお店。ああ、ここで飲むのが大好きなんだな……という感じのお客さんで満ちているのを入るなり感じる。そこにいる客が「店に来たくてきてるか、さほどでもないか」というのはすぐに分かるものだ。ぽたさんも『花野商店』のファンのようで、特製の温州みかんサワーや燻製たまごがおいしいんですよ、と教えてくれる口調に熱がこもっていた。そもそも足取りからして「早く花野で飲みたい」という感じに少し急いていたのが微笑ましく。好きな店に連れていってもらえる、というのは人生においてかなり上位の喜びである。ぽたさんありがとう。

店内は年季が入って雰囲気があり、それでいて手入れの行き届いた感じの清潔感があって、ご主人の話しぶりも「大阪で長年あきないをしてきたひと」という感じにあふれ、動きや注文の受け方、酔いのちょっと過ぎたお客さんへの言葉のかけ方なんてのがもうひとつの完成された「芸」という感じ。きっと天王寺の生まれ育ちなんだろうが、彼の見てきた天王寺というまちのこと、そして個人史をうかがってみたい……と強く思った。

すっかりいい気分になって、ぽたさんにお任せで付いていく。なんだか地下街に入ったぞと思えば、『半田屋』としるされたのれんの下がるカウンターが。瞬間的にものすごく惹かれてしまって、ぽたさんが私の表情を見て「入りますか」と言ってくれた。あとで検索したらアベノ地下センターというところらしい。あべちか、と略すようだ(蛇足ながら、大阪は特に略称を好むエリアに思える)。

うーーーーーーーん、おいしかったなあこちらの串カツは。酎ハイがぐいぐい進むね。ぽたさんもここはおなじみのよう。じっくりあれこれ話した。酔っぱらいのおっさんの相手をしてくれて、いい店を3軒も教えてくれて、本当にありがとうございました。今夜あなたの徳はハルカスぐらい積まれたと思います。

夜のハルカス

さて翌日の朝、泊まっていた心斎橋からなんばエリアをうろうろ。この通りの雰囲気がなんとなく好きだったので一枚写真を撮っておいた。

なんばの『かやくご飯 大黒』で昼食をとる。
飲み仲間で全国のおいしいものに詳しいYさんが推してくれたお店。カレイの煮つけ、オーバーじゃなく人生でいちばんの味だった……650円なんて値付けでどうして出せるんだろう。すごい。ごはんも赤だしもうまかったなあ。11時30分の開店と同時に満席になるのも納得、外国人観光客の姿も。渋いところ選ぶねえ。

大阪の心斎橋〜なんばエリア、世界からのお客さんで午前10時ぐらいからいっぱいだった。

魅力的すぎる『大黒』の品書き
ごちそうさまでした
二日目の取材は鶴橋へ
駅そばの好きだった風景

鶴橋で取材を終えて、地元の方に連れていってもらった角打ち『角井商店』、中は撮影禁止。ここでいただいたおでんの「ねぎま」が忘れられない。まぐろのスジっぽいところと青ねぎの串で、スジとはいえ実に食べやすく、青ねぎとおでん出汁とのサッと煮具合が素晴らしかったんだ。ああ、今いちばん再度食べたいのがこれなんである。

お店の方の感じもよくて楽しく、近所のひとたちが激烈うらやましい。鶴橋もかなりの呑み助天国のようである。いいお店を教えてくださったHさん、本当にありがとうございました。

このあと2軒行ったんだけども、それはまたの機会に。

二日目の宿はドーミーインが取れてよかった、
他のところに泊まるたびドーミーの良さを再確認する。
船場センタービル地下で『一芳亭』の春巻きとしゅうまいを買い、新大阪駅で定番『551』をおみやげに。『551』はちまきも美味なのでぜひお試しあれ。
今回の旅のお供。おもしろいよ
『一芳亭』の春巻きはこんな感じ。薄焼き卵で巻かれている


『551』のちまき、海鮮が特に好きだ
帰宅してのおつかれさまビール

また関西、来月に行けそうです。

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