「外」の成り立ちと「卜」との関係
提要 この記事は、常用漢字「外」の成り立ち(字源)を、「卜」との関連に基づき、先行研究を踏まえて纏めたものである。結論を先に述べると、「外」は標準となる縦線から外側であることを示した筆画を加えた指事字に、声符「月」を加えた形声字であり、卜兆(甲骨を焼いた際にできるひびの形)の象形である「卜」とは無関係の別字である。
甲骨文の「卜」字 甲骨文の前辞には「某某卜、某貞」という形式が使われる。この「卜」は卜兆を象った形で、占うことを意味する漢語{卜}を表す字であり、甲骨文には頻出