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コーディネーター・アラジンのブログ #100 ベスト・ツーリズム・ビレッジ白馬

Best tourism villages

今回は、白馬村が、国連の世界観光機関UNWTOから、「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれたことの報告会がウイング21で開催され、白馬高校生徒たちと、その記念報告会に参加してきた様子をお伝えします。


丸山村長あいさつ。 バックはサマルカンドで開催された授賞式での集合写真

オープニングムービーのあと、丸山村長の挨拶があり、続いて、国連の世界観光機関駐日事務所代表で初代観光庁長官の本保義明さんが、ビデオメッセージを寄せられました。この中で、ベスト・ツーリズム・ビレッジ賞(以下BTVと略記)がどういったものかが説明されました。

本保さんのビデオメッセージが流れるステージ

それは、国連の世界観光機関UNWTOの国際認証制度で、人口1万5000人以下の自治体・地域で持続的可能な優れた農漁村観光地を評価するもので、2021年よりスタートしました。
これまで、
2021年は、

世界75カ国から174地域が推薦され、32カ国44地域が選出。
日本から、美山町(京都府)、ニセコ町(北海道)が選ばれました。

2022年は、

世界57カ国から136地域が推薦され、22カ国32地域が選出。
日本からは選出ゼロ。


今年2023年は、

世界55カ国260地域が推薦され、29カ国54地域が選出。
日本からは、白川村(岐阜県)、奥松島(宮城県)、美瑛町(北海道)、
      白馬村(長野県)の4町村が選ばれました。

選定基準は厳しく、9つの評価項目があります。

選考基準


選定過程では、文書・動画の国内審査を通過したら、英語版の詳細文書と関連動画を提出しなければなりません。

選考過程

そのために白馬村では次のようなプロジェクトチームが立ち上げられました。

プロジェクトチーム

そして、それぞれのチームで活躍された皆さんの代表の方々が紹介されました。

続いて、国連世界観光機関からいただいた賞状とトロフィーのお披露目があり、白馬村のマスコットキャラクター「ヴィクトワール・シュバール・ブラン・三世」も登場してお手伝い。

このあと、どんな点で白馬をアピールし、評価してもらったかの、評価コンテンツの紹介がありました。

 大きくは3つ。
 ①自然の豊かさ、美しさ(山岳景観、田園風景)
 ②人々の生活の営み(民宿発祥の地・山岳案内人・農業とスキー)
 ③文化的遺産の保全、自然環境の保護

提出文書の中には、白馬高校生の活躍も触れられていました。

グローバル気候マーチを呼びかけた白馬高校生のことも掲載されている提出文書



 さらに、これらのコンテンツに関わって、先人の代から白馬村の山岳景観や環境、歴史文化、地域産業の振興と敬称に尽力された、それぞれの分野の功労者・団体への感謝状が授与されました。そして記念写真。

白馬村歴史民俗研究家の田中欣一さん、
山とスキー総合資料館顧問で日本スキー発祥100周年の委員会会長の丸山庄司さん、
白馬村農業委員会会長の松澤正猛さん、
白馬村山案内人組合長の松澤幸靖さん

次に、UNWTO駐日事務所の小西さんや、衆議院議員(3名)、県知事、県議員、日本ユネスコ広報の末広さんから、祝辞がありました。

音声メッセージが流されました。



記念報告会後半は、「持続可能な世界水準のマウンテンリゾートに向けて」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

パネリストの4名

パネルディスカッションでは、
司会者から、パネラーに次々と質問が投げかけられました。

・表彰式会場の雰囲気はどうだったか?
・県としては、BTVの認定をどのように感じ、県の観光にどういう効果があ るか?
・レッヒがCNNの持続可能なスノーリゾート10選に選ばれたのはどういっ た点が評価されたのか? 白馬のBTVとの共通点は?
・持続可能性について特に評価された点は何か?
・白馬の文化・豊かな自然の持続可能性が評価されたというが、具体的には 白馬のどの部分か?
・持続可能であるために、観光産業や観光面から必要な要素、取り組みは何 か?
・レッヒにはどのような課題があり、どう解決していくのか?
・白馬として課題に感じること、レッヒが参考になることは何か?
・世界におけるツーリズムの課題、日本における課題は何か?
・県として解決策やできる取り組みは何か?
・長野県、白馬村に必要な要素は何と考えるか?
・国際的な視点から見て、長野や白馬に今後どういった取り組みが必要か?
・ヘルマンさん、小西さんの発言を聞いて、県はどう思われるか?
・ 〃                 村長はどう思うか?

それぞれの質問に、パネラーが答えていきます。
必要な要素について、ヘルマンさんが答えられた、4つのことが印象に残りました。
それは、「美しい水新鮮な空気本物の体験ができる場所地元の人にとって持続可能な営みであること」でした。

会場内の聴衆にも質問の機会が与えられ、4人の人が質問に立ちました。
うち2人が白馬高校生でした。
彼らがした質問とそれに対するパネラーの回答は次のようなものでした。

ヘルマンさんに「レッヒでは水力発電に力を入れているという話だったが、良かった点は何ですか?」
対して、ヘルマンさんは、「CO2削減ということと、他の地域に頼らないエネルギー自給の2点だ」と即答されました。

村長に対して「BTVに認定されて、白馬高校生にやってもらいたいこと、出来ることは何でしょうか?」
村長は「村や地域のイベントにどんどん参加して、地域を知って交わって欲しい。例えば来週の村の文化祭。あと、村に関わって若者として情報発信をして欲しい。」

質問する白馬高校生


2時間半におよぶ報告会ですが、受賞の喜びとこれからの決意が参加者にも共有された明るい会となりました。

報告会の報告は以上ですが、私が印象に残ったのは、
ある議員さんが祝辞の際に、「クマと共存できる環境が大切」というようなことを述べられました。何百年も前に熊を絶滅させたヨーロッパと比較して、この「人と野生動物とが共存できること」の意味は本当に大きいと思いました。
もう一つは、レッヒのヘルマンさんや他の方も述べられていた、「観光客のための観光地ではなく、地元住民のための観光業であること。オーバーツーリズムに陥らず、訪問者の人数制限をしてでも、観光の質を守り、高め、生活者とともに持続可能なツーリズムを目指す」と言うお話でした。


おまけですが、

生徒の質問にもありましたが、私も学校関係者として、この賞の受賞にふさわしい今後の学校の取り組みについて、どういうことが考えられるかを、
とりあえず(!?)、AIに質問してみました。

Q.

ある村が、UNWTOの「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれました。その村には、国際観光科を設置した高校があります。ベストツーリズムビレッジに選ばれた村の学校として、今後どのような取り組みが考えられますか?

A.(ChatGPT)

国際観光科を設置した高校は、ベストツーリズムビレッジに選ばれた村の重要な資源となります。この学校を活用し、村の観光産業を発展させるために以下の方法が考えられます:

1.質の高い教育プログラムの提供:
国際観光科で、学生に観光関連の知識やスキルを教育し、将来の観光業者や地元ガイドに育てます。プロのトレーナーや業界の専門家を招いて、実践的な経験を提供しましょう。
2.地域の観光資源の研究と保護:
学生を通じて、村の観光資源や自然環境の研究と保護活動を推進しましょう。学生たちが地元の文化や自然環境に対する感受性を高めることが重要です。
3.地元コミュニティへの貢献:
学生や教職員を通じて、地元コミュニティに奉仕活動を行う機会を提供しましょう。地元のイベントやプロジェクトに参加し、学校と地域社会との結びつきを強化します。
4.産業との連携:
地元の観光業者や関連産業と協力し、学生に実務経験を提供するプログラムを立ち上げましょう。インターンシップや実務プロジェクトを通じて学生が業界に足を踏み入れる機会を提供します。
5.イベントとプロジェクトの支援:
学校は地元の観光イベントやプロジェクトを支援し、学生たちを関与させることで地域経済に貢献しましょう。例えば、観光フェスティバルの運営、地元の観光ガイドトレーニング、観光資源の改善プロジェクトなど。
6.グローバル視野と国際交流:
国際観光科を通じて、学生たちに国際的な視野を広げ、異文化交流プログラムを促進しましょう。国際的なパートナーシップを築くことで、学生たちに国際観光業の理解を深める機会を提供します。

これらの取り組みにより、学校は地域社会に貢献し、地元の観光業を持続可能に発展させる重要な役割を果たすことができます。また、学生たちにとっても実務経験やキャリアの選択肢を拡大する機会を提供します。

このAIの返答はどれもその通りだと思うと同時に、これって全部、白馬高校で取り組んできていることじゃないかと、安心しました。
あとは、その質と量を高めることですね。ここが難しいんだけど。