俳句 夏の蝶
俳句
百年の 時をつなぐや 夏の蝶
詩
夏の暑さから逃れて
森の遊歩道を歩く
大きな木立に囲まれて
蝉しぐれに包まれる
歩道はいつしか
隘路に変わり
下ろしたばかりの靴が
気になる
右手の山肌からは
水が染み出て
ハグロトンボが
辺りを舞う
僕を案内するように
休んでは飛び
飛んでは休み
ハグロトンボのあとをゆく
オレンジ色の山百合に
目を奪われていた隙に
ハグロトンボはいなくなり
見回す先に
羽を青く染めた蝶がいた
この道は百年の昔から
ここにあって
この蝶はずっとここに
いたのだろう
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