詩　芒の原

芒すすきの原が風に吹かれて
揺れている

さわさわ、さわさわ
揺れている

僕はそれを眺めてる

芒すすきの原が僕を招く

こっち、こっちと
僕を招く

それでも僕は眺めてる

芒すすきは激しく穂を振って

こっち、こっちと
さらに招く

僕は行ってみたくなる

でも僕はわかってる

芒すすきの原に踏み込めば

先にあるのは彼岸だと

＊

彼岸
河の向こう岸。生死の海を渡って
到達する終局・理想・悟りの世界。
涅槃。

広辞苑