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山の学校

山の学校の入学式。

その学校は先生の数が少なくて、
生徒たちが学校の行事の運営を
しなきゃ、回らない。

入学式も生徒が自ら準備して、
司会、進行も生徒が行う。

そして新入生たちに、3年生が言葉を贈る。

特に記憶に残った言葉を、
印象に残った順にあげてみる。

一人目。
「3年間なんて、あっという間なの。
なにもしないで過ごすこともできるけど、
そんなのもったいないよ。
やりたいことがあれば、やってみて。
やってみても出来ないこともあるけれど、
自分から、なにかを発信してみて。」

二人目。
「誰かに助けをもとめることは、
簡単なことのようだけど、実はとても
むずかしいことです。
でも、助けを求められた人は
きっとあなたのことを、
助けてくれるはずです。」

三人目。
「大人がなにも与えてくれないと、
なんでなにもしてくれないのかと、
待ってばかりいたけれど、
少し考えを変えて、
僕がやりたいことをやろうとしたら、
自分ひとりではできないことも、
たくさんの人が支えてくれて、
たくさんの人が教えてくれた。」

今年の3年生が、新入生に熱く語る。
その表情はとても輝き、
仲間たちとの充実した日々を思わせる。

まだ大人になりかけの新入生たちは、
すっかり大人になった3年生の熱い言葉を
受け止められただろうか。

でも、一人ずつ会場を出ていく新入生の顔には、
先輩たちの輝きが、降りそそいでいたと思う。

『なにもしないで、過ごすこともできるけど、
そんなのもったいないよ。
自分から、なにかを発信してみて。』

言葉が眩しい。

あっという間の3年間でも、
見上げるように人は成長する。

人は、
人との出会いを通してでないと、
成長出来ない。

つらいこと、くるしいこと、
悲しいことを、
仲間と共に乗り越えて、

楽しいこと、うれしいこと、
喜ばしいことに、
変えていったのだろう。

でも僕は、
自分から発信できなかった。
助けを求めることができなかった。
自分を変えることができなかった。

それでも、
変えることのできなかった挫折も、
悔しさや、後悔や、流す涙があれば、
成長の養分に、なると思う。

言葉はきっと、彼らに届く。


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