「Mサイズ」のスカート
季節はだんだんと春めいてきている。
寒い日は少なくなり、先日は「もう春だな」という陽気な日さえあった。
ここ1年で随分と体型が変わり、ブカブカで着られない服も多くなった。
嬉しい悲鳴だ。
外に出る機会も多くなっているので、最近はセミフォーマル系の服をフリマアプリで探す日々。運が良ければタグのついたままの「新品未使用品」が手にはいる。
先日、そんな素敵な巡り合わせに出会い、花柄のフレアスカートを購入した。
今まで来ていた系統とは違うのでどきどきもしたし、年齢やTPOなどを考える年になったんだなあと、少し感慨深いものを覚えた。
届いたものはもちろん私の心を潤してくれた。
しかし、ついていたタグには「Mサイズ」の文字。
私の確認ミスだ。
そう思った。
いくら痩せたとはいえ、Mサイズのボトムは流石に履けないんじゃなかろうかと心配した。せっかく買ったのに勿体無い。
でもせめて1回くらいは来てみたい。
今まで来たことのない可愛らしいものだから、なおさらそう思ったのかもしれない。
袋から取り出して、試着する。
違った意味でどきどきの瞬間だ。
そのスカートは無事に着ることができ、私はまた1着、お気に入りが増えた。
フレアスカートだった、というのも大きいだろうが、「Mサイズ」の服を着ることができた、というのは自分自身の変化に確かな実感をもたらしてくれた。
早速母親に報告しなくちゃ。
Mサイズの服が違和感なく着られるようになったよ、と。
トップスもスカートに合うようなものに着替えて、下の階にいる母親の部屋に行く。
「がんばったね」といってもらいたかった。
「みてみて、このスカート。新しく買ったんだけど、Mサイズなの!」
「おー、いいじゃん可愛いじゃん。今度貸してね」
さすが我が母である……。
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