見出し画像

A子(不倫女)に会いに行った。後編

全回の続きです。

私は、A子の職場(夫と同じ)へ突撃し、初めてA子と会い、車内で話をした。

A子:「今後、彼と連絡は取りません。」
私:「夫の連絡先をいま、消してください。ブロック削除してください。」
A子:「消すことはできません。」
私:「どうしてですか?いままでみたいに別れたと言いながら、また連絡を取り、復縁するつもりですか?」
A子:「違います。想い出のLINEをまだ消すことができません。それと最後に彼に伝えたいことがあります。」
私:「なんですか?」


前回ここまで書きました。
A子と対峙し、証拠になるようなことを録音し、慰謝料請求に向けて連絡先の交換をしました。A子はあっさり連絡先を交換しました。

しかし、夫の連絡先を私の目の前ですぐに消すことに関しては、完全に拒否されました。想い出がどうのこうのという理由は、置いておいて、A子にはもう一つ理由があったのです。

その理由は…最後に夫に伝えたいことがあるということでした。

A子:「次に生理が来た時に、彼に伝えたい。」
私:「妊娠してるかもしれないということですか?」
A子:「・・・毎月、伝えていたんで。」
私:「それは、夫ではなく私に伝えてください。夫にはもう連絡しないでください。万が一、アパートに夫の荷物が残っていたら、捨ててください。」
A子:「分かりました。」
私:(ちょっとよく分からない・・・なぜ、自分が不利になるような妊娠のことを言うのか・・・)

私はA子は妊娠の可能性を示唆したことで、もう十分証拠は取れたと思った。どちらにせよ、彼女は不倫については、まったく否定もしなかった。否定しようがない。だって、夫の両親とも話し合うために会っているし、二人が住んでいるアパートだってバレているのだ。私はA子のSNSも突き止めていて、そこには夫の写真が掲載されていた。職場も、元夫との自宅も知っている。

後日、A子から「生理がきました。」と連絡が入った。さらに証拠が取れたことと、妊娠していないことに安堵した。

しかし、どうして、こんなにA子も夫もバカなのだろう。そんなにも愛し合っているならば、もっと上手くやれなかったのか。私にバレないように愛を育めなかったのか?

しかし、同じように私もバカだった。慰謝料を請求する気、満々でA子と対峙したはずだったのに、最後はなぜか「あなたに慰謝料は請求できない。」と泣いていた。(後に請求することになるが…)もし、こんな関係性ではなく、普通に出会っていたら、A子とは友達になれたかもしれない。そんなことまで頭を過った。

私達はバカみたいに泣きながら別れた。それが、私とA子との最初で最後の対面だった。怒りと、涙と、虚しさと、失望と、いろんな感情が混ざり合って、私はひどく疲弊した。

実の妹からは「騙されてる!それはA子の作戦だ!」と言われた。

そうだったのかもしれない。その時はそうは思えなかった。

そして、夫は外泊しなくなった。しかし、夫婦の関係は絶望的だった。夫は私に無理やり引き裂かれたような被害者面をし、私のことを無視し続けた。

やっぱり、私はA子に負けた。愛されているのはA子だ。

しかし、当時私は夫がやっと不倫相手と別れたと信じ、なんとか夫婦関係をやり直せないものかと、再構築に向けて必死でもがいていた。もがいて、もがいて、辛くて、辛くて、そんな思い出したくもない毎日だった。

続く。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?