人に教えることはできないという話
結論から書くと「人は誰かに教えることはできない。人は誰かから学ぶことしかできない。」という話です。
これは、学校の先生でも大学の教授でも優れたスポーツ指導者でも同じだと思っています。
※ 僕個人の持論です。異論は認めますし、特定の誰かの意見を阻害するものではありませんので、ご理解ください。
「でも現実は学校があって、先生がいて、教えている教師がいるじゃないか」と思う方もいるかもしれません。
僕の持論では、これは「情報を提供する人」に対して「学ぼうとする人」がいて初めて成立する世界です。
僕は、小学校から高校を中退するまで勉強を全くしませんでした。しかし、授業を受けなかったかというとそうではありません。ただし、授業の内容は全く覚えていません。僕には「学ぼうという意思」がなかったため全く頭に入っていないのです。
また、英会話の習い事をやっていたこともありました。しかし、全く英語が話せません。あるあるかと思いますが「親からやらされていた」という感覚が強く、まったく自分の意思はなかったため話そうとしていなかったのです。
ここまで僕のだめだめ話を書いてきましたが、このなかで先生の教え方や能力については全く出てきません。「どういう教え方をしていたか」や「どういう人柄だったか」なども全く覚えていません。つまり「先生の能力は、学ぶ意思がない人には全く影響しない」のです。
話を読んで「いや。何当たり前のこと言っているの?普通の話じゃん。」と思う方もいると思います。そうなんです。学ぶ意思がない人に教えることができないのは「当たり前のこと」なんです。
しかし、現代社会において、上司や部下にたいして「丁寧に教育しているのに全然仕事ができるようにならない」とか、先生が生徒に対して「勉強を教えても成績が上がらない」とか言っている人は普通にいると思います。この時、教える側は無意識に『「教えているのに」という意識で行動しているんじゃないか」』というのが僕の言いたいことです。
学ぶ意思のない人に対しての情報の提供には意味がないので「教えているのに」という思考自体に意味がないと僕は思います。あくまで情報を受取る側が「学ぼうという意思があるか」でしかないのです。
では、自らの意思でその場にいるはずの人(学校は少し違いますが)のはずなのになぜ、学ぶ意思がない人が存在するのでしょうか?
僕なりの解釈ですが、「学ぼうという意思を持って学ぶこと」これがみんなが思っているよりも難易度が高いことなのではないでしょうか。日本では義務教育で10年近く、意思を問わせずに学びの場に所属することを強制させられます。その影響もあり、「その場にいるだけで優秀な人が教えてくれるから勝手に知識が身につく」といった感覚を無意識に持っているひとが案外多いのではないかというのが仮説です。
僕は今、未経験者にプログラミングを教える(あえて教えるという言葉をつかいます)仕事をしていますが、ひとりひとりにはやはり進捗にばらつきがあります。個々の能力差は当然あると思いますが、やはり明確な意思がある人は伸びるのは早いです。この仕事をさせてもらってますます、この持論について考えることが多くなりました。
教えるというのはどういうことなのか
「教える」ことができないと考えている以上、教えるということについて考えるのは矛盾がある気がしますが、僕は教えるというのは「学ぼうという意思に気づかせるまたは、意思を強くするサポートをする」ということだと思っています。
高度な専門知識を提供したり、添削することではなく、本人のモチベーションに気付くきっかけを作ってあげたり、モチベーションを高めたり、そういうコーチングのようなスキルのことを「教える」というのだと思っています。
僕がサポートしている人達の進捗にばらつきがあるのは僕にこのスキルが足りないからで、僕はまだまだ教える人間としては未熟なのだと痛感させられます。
最後に
ここまでが僕は「人は誰かに教えることはできない。人は誰かから学ぶことしかできない。」という持論を持っているという話でした。
これは言い換えると、「教えることはできないが、教わる意思さえあれば人は必ず学べる」ということだと思っていて、このロジックをなんとか広める仕組みができればもっと世の中が良くなる気がしています。
僕自身、サポーターという仕事を通してそのあたりを追求していければと思います。
最後にガリレオ・ガリレイの名言に「人間は、何事も人に教えることはできない。できるのは、自分でそれを発見するのを手助けすることだけだ。」というものがあります。
僕の持論はこの名言に影響された訳ではありませんが、この名言がこの記事のすべてを語っていて、影響力のある素晴らしい言葉だと思っています。
これをTwitterに貼ればそれで終わりだったのですが、記事を読んでもらいたくて最後に書きました笑
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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