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映画日記 『トップガン・マーヴェリック』映画は映画館でみるべきだと思ったⅡ

ネットフリックスで『トップガン・マーヴェリック』を見た。自分では絶対に映画館に行って観ないだろうな、という映画を選んでみた。

見ながら、これは映画館で観るべき映画だと思った。特別な音響設備が施された大きなスクリーンでこそ、本領を発揮するように作られた映画にみえた。

きっと、映画を観るというよりも、ライブを体験する、みたいなタイプの映画だ。自宅のテレビモニターで見るような映画ではないのだ。

でも、私はわざわざ映画館にいくだろうか。ふさわしい音響効果を得るために、追加料金を払うだろうか……。


タイトルにある「マーヴェリック」が何なのか、気になっていたが、なんのことはない主人公の名前だった。『傷だらけの天使 小暮修』みたいなものか。 …しかし、たとえが古すぎる。

見ながら、前作の『トップガン』も見ていないなと思った。それどころか、『愛と青春の旅立ち』と『トップガン』の区別がついていないことに気がついた。

両方とも1980年代前半の映画で、ヒット曲が絡んでいる。MTVの勃興と結びついている。どっちがどういう映画だったかと思い出そうとしたが、両方とも見ていないので、思い出せるはずもない。

よく考えたら、トム・クルーズの出ている映画をちゃんと見たことがなかった。有名な『ミッション・イン・ポッシブル』は一つも見ていないし…。

スタンリー・キューブリックの『アイズ・ワイズ・シャット』は観に行っていないので、多分、映画館で観たのは、ポール・ニューマンの『ハスラー2』くらいだ。それっていつのことだろうか……。

ほぼ初めて見るトム・クルーズは、思ったよりも老けていた。何歳なのだろうか? ヒロイン役の女優に見覚えがあるのだが、名前をまるで思い出せない。

『トップガン・マーヴェリック』は、とてもテンポがよく、一瞬も飽きさせない場面の連続で、空中戦は迫力満点だった。

ところでジェット戦闘機って、こんなに小回りの利く乗り物なのか? という大きな疑問が湧いてきた。自動車みたいに小回りが利くし、空中戦は、ゼロ戦映画と変わらないことをやっている。なにもかもが見たことのあるものの連続だった。

失礼だけど、アメリカ人はバカなのか? と思った。何十年も前から、こんな映画ばっかりじゃないか、よく飽きないなと思う。いや、日本でもヒットしたらしいから、日本人もバカなのだろう。

じゃあ、バカ呼ばわりしている私はバカじゃないのかと言ったら、やっぱりバカだ。シルベスター・スタローンの『ロッキー』シリーズなんかは大好きだし、アーノルド・シュワルツェネッガーも嫌いじゃないから、似たようなものだ。



主人公は秀でた能力を持っているけれど、組織には馴染めず、孤独で、不遇をかこつか、あるいは自ら貧乏くじを引き続けている。しかしいざとなったら超人的な能力を発揮して、たった一人で地球を救ったり、戦争を阻止したり、すんごいことを成し遂げるのだ。

何十年も前からの不動のパターンをこの映画も踏襲していた。

主演のトム・クルーズは、口が悪くないだけで、これまでの主人公たちと、なんら変わりがない。スタローンも、シュワちゃんも、エディ・マーフィも、ダイハードもリーサルウェポンもみんな同じだ。アメリカ産の映画には、主人公は、一種類しかないのか?

時間切れぎりぎりに、目的を達成しちゃうところも、昔からそのまんまだ。
物語のパターンも一つしかないのか? と、書いてみたけれど、私は、エディ・マーフィもダイハードもリーサルウェポンも映画館でちゃんと見たことはない。

いつだって、スーパーマンのような一人の人間が、すべてを解決に導くのだ。そして、ルールは大事だが、主人公に限っては、ルールなんか無視してもよいのだ。主人公は特別な存在なのだ。

最後に主人公は、目的を達成して、以前のルール違反は、不問に付される。全ては結果オーライなのだ。

組織やルールに従わないが、天才的な能力を持つ主人公。組織に向かない割に、チームワークを重視する矛盾も問われない。いい加減、他のパターンはないのか、と『マーヴェリック』をみながら、イライラしてきた。



それにしても、この映画は、中国人もイスラム圏の人も、見ないんだろうな、と思った。そもそも大枠となるハナシがひどい。

非NATOの国が核開発している、その核兵器工場?を、アメリカの海軍が勝手に攻撃して、破壊する、というのがハナシの骨子だ。

そんな勝手なことが許されるのか?

そもそも安易すぎないか?

それが平和をもたらす行いなのか?

でも実際には、そんなことを深く考える必要はないのだろう。とにかく主人公が十全に活躍できるシチュエーションが必要なだけなのだ。

トム・クルーズ演じる主人公が達が生還するまでに、敵の命がいくつ犠牲になっているか、なんてことも考える必要はないのだ。敵の顔がわかるカットなんか一つもない。

とかなんとか不平不満のようなモンクは浮かんでくるが、何も考えずに見ている分にはスカッと爽快な展開が続く。



見覚えのある女優は……最後まで名前が出てこなかった。エンドロールで、ジェニファー・コネリーだと判明。ビックリ。『ロケッティア』以来だ。
どんだけ見ていないのだ。

やっぱり映画は映画館で観ないとだめだ。

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