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書籍レビュー『最軽量のマネジメント』

『マネージャーは地位ではなく役割である』

本書のこの一言に大きな共感を覚えた。
ほんとうに、その通りだと思う。

役職の高い者を社内で敬い、忖度のために貴重な時間を無駄にする。
マネージャーと一般社員を差別するための様々な社内ルールの存在。
これらに辟易とする若者。

日本企業で非常によく見られる光景である。

私の周りでもこんなことがあった。
当時、マネージャーになると椅子にひじ掛けがつくというルールだった。
しかし、ある一般社員は配属時に空いていたひじ掛け付きの椅子を使っていた。
これを見た上司は、「なんで一般社員なのにひじ掛けがついているんだ。椅子を変えなさい」と。

なんてくだらないんだろうと思う。

本書の著者の会社であるサイボウズは、こうした地位を軸とした組織形態をやめ、キャンプファイヤー型の組織を作っている。
サイボウズでは、1.ザツダン、2.情報の徹底公開、3.説明責任と質問責任の3つの施策により、透明性の高いマネジメントを実施することでマネージャーの負担を減らしつつ、社員も自立型になっているという。

社内における情報は、マネージャーにとって一般社員と差別化するための武器になってしまっている。
一般社員の持ちえない情報を持っているから、マネージャーは敬われ、地位を確保できる。
しかし、情報が一般社員に展開されないのでスピードは上がらず、意思決定もマネージャー一人では遅い。

これでは本末転倒である。
目的と手段を取り違えてしまっている。

会社は、社会に対して、お客様に対して今までよりよい商品・サービスを提供することが目的である。
この目的を達成するためにマネージャーも一般社員もいて、そこには上下はなく役割の違いがあるだけなのだ。



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