音楽と思い込みについて。

何年前か忘れたけど、10年も経たないから、自分にとってはそんなにでもない昔。

若い頃からずっと好きで、人生観にも影響受けてたようなミュージシャンが(たぶん初めて)青森にきてくれて、小さい会場ってこともあり、ちょこっとお話させていただいたことがある。

それで、それ以来、そのミュージシャンの曲はパッタリ聴かなくなってしまった。
要するに、幻滅してしまったんでしょうな、平たく言えば。

でもさ、たぶんそのミュージシャンはちっとも悪くない。
もともと、自分に素直に生きて、表現してこそのアーティスト。
そこに変な気遣いなんかいらない(売れたければたぶん違うだろう)。
むしろ、勝手に生きているからこそ、それを勝手に好きになる人たちが勝手に集まってくるのだろうから。

けれども、自分は聴けなくなってしまった。
今でもそれは胸が痛い。
あのときの自分を捨てることもできないし、したくない。

自分でも思うけど、誰を好きになっても面倒臭いファンになってしまう。
程よい距離感が大事だとは思ってる。
それが、見せてくれる部分を大事に見ることなんではないかと思ってる。

ずっと好きすぎて、大事にしすぎて、自分の中で勝手にそのアーティストのイメージが固まってしまって、そこからはみ出す姿を見てしまって、勝手に辛くなってしまっただけなんだよな。
別にそのミュージシャンが嫌なことをしたとかでも、適当にあしらわれたとかでもないんだけど。

うまく言えないんだけど、だからこそ、好きであればあるほど、近づきすぎないようにしたいってとこがある。

これ、漫画家とかでもそうなんだよな。
同人誌でもそうだった。後書きで、好きじゃなくなったりして。
それって、作品とは全く関係ないと思うんだよ。
けど、なんとなく人間性が自分には合わない、って思うと作品自体をシャットアウトしてしまう。
だから今は、むしろ作品だけ見た方が良い気もするし。

…ってことを、20年くらい好きなミュージシャンのライブを観て思い出したりしてた。
このミュージシャンは、ほんとに程よく距離感取ってくれるから。ずっと好きでいられるのかもしれないな。
曲の世界からはみ出すような部分をうまく見せないでいてくれるというか。
もちろん、最初からずっと曲が好き、ってのが大前提としてあるんだけど。

知らなくていいことも、世の中にたくさんあるんだろうからな。
自分は、年齢のわりに、知らないことだらけだと思うけど、だから生きていけてるのかもしれないしな。

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