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図書館に行ってきた 8

ショートケーキ 坂木司
ショートケーキにまつわる短編集。それぞれの話の主人公は他の話の脇役なので、全て読むと小さな世界が広がる。
「和菓子のアン」のイメージから洋菓子へ。
和菓子は知識が豊富で奥行きがあった。今回は洋菓子を掘り下げることなく物語の方が広がる。
コージーコーナーのホールケーキ行きます!

のぼうの城 和田竜
歴史がなかなか覚えられなくて、日本の歴史というマンガを息子と読んだくらい。映画化されたこの本を読まずに返却すること3回。ようやく今回読み終えることができた。主人公が実在するのかさえ知らなかった。
歴史上の人物は作品によって良い風に描かれたり悪人になっていたり、人物像がなかなか定まらない。
「どうする家康」の脚本が古沢良太さんなので観たいんだけど、こんな調子で大丈夫かな。

ナイルパーチの女子会 柚木麻子
人との距離感が近い、友達を所有物のように扱う。
いき過ぎて事件になることもあるし、病気として捉えられることもある。
他人軸で生き、振り回されて、視界がどんどん狭くなる。
ある日ふと自分を客観的に見ることができたとき、そこからいろんなことに気づく。
自分軸で生きると決めたとき、ようやく広い視野を持て、自由になれる。
怖いと感じた主人公の行動は誰にでもある欲求だと思えるラストだった。

悟浄出立 万城目学
これまでいろいろ読んできた中で飛び抜けて面白かった。登場人物は準主役級ばかり。「準」ならではの気持ちの揺らぎ、そして彼等ならではの生き様。主人公には取るに足らないことのようでも、本人にはそれが全てだったり。
万城目学さん独特の、少し大層な節回しもピッタリ合っていて読み応えがあった。いやぁ、最高!!

働かないの れんげ荘物語 群ようこ
シリーズ2作目とは知らず。
ほぼ同い年のキョウコの一人暮らしは憧れだ。できるならもう少ししっかりしたアパートがいいけど。
私ならキョウコより罪悪感も悩みも怒りもなく、のびのびと暮らせてしまう気がする。誰かのために何かをするとか自分にできることがあるとか、そんなことを考えて焦ることはない。キョウコには好意を気持ちよく受け取る才能があると思う。

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