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図書館に行ってきた 23

鏡は横にひび割れて アガサ・クリスティ
悲しくて切なくて言葉を失う。
2人共、悪意のない自分勝手。まさに「呪いが我が身に」。
登場人物の性格によって供述が大袈裟だったり言葉足らずだったりして、絶妙に真実を隠している。そこに現れるのがマープルで、事実のみを的確に掬い上げていく。高齢であちこちに移動できないのがもどかしい。

ダーティ・ママ 秦建日子
女性の作家さんかと思ったらタケヒコさんだった。
この作品やアンフェアなど数多くドラマ化されている。ダーティ・ママは永作博美さんが演じていた。
2010年の作品なので今では放送できない台詞が多いかもしれない。シングルマザーがベビーカーを押しながら事件を追う。きれいごとでは生きてはいけないと、割となんでもアリ。

まらそん侍 土橋章宏
こちらも「高速!参勤交代」が映画化された作家さんで、この作品も「サムライマラソン」という題名で映画化されている。マラソンは昔、遠足(とおあし)と言った。作り話かと思ったら本当にあった出来事らしい。体力作りと称して始まった遠足が、実は間者を見つけ出す目的だった。ついでに不届者も一掃して爽やかな読後感。

奪取 真保祐一
下調べの知識が物語の半分を占めていた。リアリティというより説明書。何度も読む手が止まってしまった。でもその他の部分はスピード感があってスリルがあって、会話もテンポ良くて面白かった。
私に印刷や紙幣に対する好奇心が少しでもあれば。
ただ、あんなに説明ばかりの会話なのに流れはスムーズで、わかりやすいし読みやすいのは間違いない。
手探りの偽札作りで、あーでもないこーでもないといったやり取りは専門用語だらけで理解不能だった。
印刷関係で働いている人なら最高に面白いんだろうな。

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