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図書館に行ってきた 10

とっぴんぱらりの風太郎 万城目学
長かった。なのにずっと飽きなかった。
いつだって何もわかってない風太郎が自分の命やお金のために引き受ける様々なことが、最後に全て繋がっていく。風太郎の周りのキャラクターは個性的でブレがなく、風太郎が一番普通の人だった。「風の吹くまま気の向くまま」の風に巻き込まれ、誰かの気の向くままに使われる。

さよならの儀式 宮部みゆき
今より少し先の未来に起こるかもしれない物語。宮部みゆきさんファンとしては短編なので物足りないところはある。でもやっぱり入り込める感覚はあった。ちょっと怖いというか薄寒い感じ。

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦
全部読んでしまえば、神様の断捨離に巻き込まれた人々のたった1日の物語。
森見さんの小説はいつも夢と現実を行ったり来たりしている。めくるめくあやふやな世界。
登場人物の無意味な拘りが、なぜかすごく心に響く。適当で面白おかしい物語の裏に、ものすごく深くて暖かいものがある。とても大切なことを教えてもらったような。

村上海賊の娘 上 和田竜
上下巻あるとは知らず、下巻はまた今度借りよう。
歴史物は登場人物の名前がよく似ていて、しかも子だくさん。有名な武将でも何をした人かあまり知らないもんだから、誰が味方で誰が敵かわからないまま読むことが多い。でもこの小説は場面が切り替わることがあまり無く、登場人物も少なめでキャラが濃く、読みやすい方だった。
乱暴で不細工な景は真っ直ぐで可愛い子に感じた。

精霊探偵 梶尾真治
映画化してもいいと思うくらいの面白さだった。一気読みしてしまった。敵の正体がわかるにつれて怖さもあって、でもユーモアもあって。「黄泉がえり」の作者と知って驚いた。私は感動ものよりこっちの方が面白かった。

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