見出し画像

個人の住宅に課せられる固定資産税 減税で現役世代も老後世代もハッピーになろう

こんにちは
函館減税会です
全ての増税に反対し、減税を実現するための活動を行っています。

日本の財政は社会福祉予算がその多くを占めています。
そのため、よく現役世代と老後世代の対立構造として財政改革が語られます。しかし、現実として高齢の方々にも生活があります。また当然有権者でもありますから、対立構造として認識し続けていても、改革は現実的ではありません。

そこで今回は、高齢者も含めて、みんながハッピーになるような減税案について提案していきます。今回取り上げる税は固定資産税です。


固定資産税とは?

地方財源と固定資産税

固定資産税は土地・家屋・償却資産に対して課せられる税金です。
また固定資産税は地方税なので、地方自治体の財源になっています。

老後世代と固定資産税

ここで、老後世代とは既に定年を迎えた人々、またその同世代の人々を指しています。高齢者の定義などが行政で話されているので、正確な定義はそちらを参照してください。このnoteでは、既に年齢が理由で職を持たない人々を指して老後世代と呼びます。

老後世代は労働をしていませんから、労働による所得がありません
近年ではNISAなどの制度もあり、資産運用などで金融所得を得ている人も
いますが、多くは年金受給貯金の切り崩しによって生計を立てています。

地方税のうち、住民税などは所得によって非課税になります。
実際に、住民税非課税世帯のほとんどは高齢者世代(老後世代)です。
しかし、持ち家固定資産税は払わなければなりません。

次の図は、内閣府の令和5年版高齢社会白書から抜粋した
65歳以上の人々の住居形態の比率を表したグラフです。

令和5年版高齢者白書 65歳以上の者の住居形態

上図から、次の二つのことが確認できます。

  • 老後世代の75.6%が一戸建ての持ち家に居住

  • 老後世代の11.8%が集合住宅の持ち家に居住している

つまり老後世代の8割強が持ち家に居住しているということになります。
居住しているということは、持ち家が生活に必要であるということです。
そのため、老後世代にとって、固定資産税が生活費を圧迫しているのです。
固定資産税を取って高齢者福祉のばらまきを行っている。
取って配る構造が存在しているということです。

現役世代と固定資産税

次に現役世代にとって固定資産税の減税が有益化であることを示します。

上山(2023)によると、30歳代や40歳代の持ち家率が上昇しているようです。論文で引用されている、ゆうちょ財団の「家計と貯蓄に関する調査」によれば、30歳代のおよそ7割弱が持ち家に居住しており、40歳代、50歳代と年齢を経るにつれて持ち家率は上昇しています。そのため、現役世代の多くが固定資産税の減税による恩恵を直接受けると言えます。

一方で、賃貸に居住している人は恩恵を得られず、税負担が偏るのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、賃貸に居住している人も、間接的に減税の恩恵を受けます。次の図をご覧ください。

モノやサービスの供給と購入が実現する状況

この図は、以前のnoteで用いた、企業の商品が消費者に買われる状況を表したものです。今回の商品は賃貸住宅です。この家・部屋なら月額どれくらいの価格なら払えるかということを表しています。

賃貸住宅の価格は、賃貸住宅を建てたり、購入したりするのに要したコストが含まれています。また、賃貸業による収益を得るための利潤が含まれています。重要なのは、賃貸業の事業コストとして税金が含まれているということです。当然、固定資産税は事業コストに含まれます。固定資産税は賃貸価格に転嫁されているということです。

固定資産税が下がれば、賃貸価格に転嫁されていた分が取り除かれるため、賃貸価格は下がります。これを聞いた人の中には、全部利潤に回されるから意味がない、投資家の利益が増えるだけという風に考える人もいるでしょう。しかし、市場のメカニズムを考えれば、価格競争が起きますから、供給価格を下げなければ他の賃貸住宅に顧客が逃げてしまい、利益を失ってしまいます。そのため、市場の失敗を除いて、通常の自由経済においては、賃貸価格の低下につながります。

函館市における固定資産税

固定資産税の徴収事務と税額

固定資産税の徴収事務に係る事務費用については現在調査中です。
関心のある方や市議会議員さん、情報をお待ちしております。

函館市の固定資産税税率1.4%です。これは標準税率です。
固定資産の評価額に税率をかけることで税額が計算されます。
固定資産の評価額の改定は3年おきのようです。

各年の固定資産税については、総務省が出している決算カードを見ることで確認できます。しかし、今回は特に住宅に課される固定資産税について見たいので、決算カードでは不十分です。そこで今回は、函館市が出している市税概要を参照しました。次の図は2019年度から2023年度までの、住宅用地に課せられた固定資産税と、家屋に課せられた固定資産税の推移をそれぞれ表したグラフです。

函館市の各年度ごとの固定資産税の税額

家屋については大体80億円程度、住宅用地については大体20億円程度ということが分かります。

減税の財源

100億円という額は、函館市にとって非常に重いです。令和4年度の市町村税の歳入がおおよそ320億円ですから、市税の3分の1を削ることになります。

しかし、目標は定まりました。市の行政改革によって100億円を捻出(つまり削減)すれば、現役世代も老後世代もハッピーになれる減税が実現できます。給付は、仕組みが複雑になって受け取れない人が居たり、中抜き、事務コストが問題になります。減税なら、本来その人の財産だったものを取らないだけですから、負担だけして損する人は生じません。さらに、最初から住宅の固定資産税を徴収しないとなれば、事務コストはさらに下がるはずです。

まとめ

現役世代と老後世代は、どうしても社会福祉予算の関係で対立軸でとらえられがちです。しかし、その状況を生み出しているのは、政治家と官僚です。仕組みを複雑に構築することで、問題の根っこをわかりにくくし、国民同士を対立させ、安泰な地位を築いています。我々減税会では、すべての個人が自由で豊かな生活を送れるよう、財産権を確かなものとして、全ての増税に反対し、減税に向けた活動を行っています。

活動に共感できた、もしくは活動を支援したいという方は、ぜひ函館減税会やお住いの地域の減税会に参加してみてください。登録だけでも力になります。政治において数は力です。一緒に自由な社会を実現しましょう!

参考資料

参考にした論文

上山 仁恵(2023), "現役世代の住宅取得の現状", 季刊 個人金融, 2023年夏号, 一般財団法人ゆうちょ財団.

関連リンク

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?