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それぞれのラオス

私は現在、ラオス南部のパクセーという都市に住んでいます。
なので、自然と、ラオスについて書くことが多くなると思います。

そこで、読んで下さる方にご理解頂きたいのは、ここで書いているラオスのことは、あくまで、
"私の目を通して見たラオス"
だということ。

ラオスに住んでいると、ラオスに住んでいる外国人や、ラオスに旅行に来た人、過去にラオスに来たことがある人と話をすることがありますが、ラオスやラオス人についての印象や経験などが、自分のものとは全く違うことがあります。

私が見たことも聞いたこともないようなことを
「ラオスでは○○だ」「ラオス人はみんな○○だ」
と断定する人もいます。

私は、ラオスについて何か発信する時に、"断定すること"はしないように気をつけています。

私の見ている、知っているラオスは、ラオスの一部であって、全てではないから。

「そんなの当たり前じゃん!」と思うかもしれませんが、自分の見ているラオスが全てだというスタンスで話す人は、意外と多いです。

私は日本人で、日本で産まれて育ったけど、日本のことだって、全て分かっている訳はなくて。
それでも、私が日本について知っていることの量は、ラオスについて知っていることの量に比べれば、断然多い。
そう考えると、私の知ってるラオスなんて、ほんの僅かだということ。

逆も然りで、例えば、あるラオス人から聞いたラオスについての話であっても、それはそのラオス人から見たラオスであって、他のラオス人がそう思っているとは限らないし、そもそも内容が正しいとも限らない。
だって、日本人が日本について話す内容が、全ての日本人を代表するものではないし、間違ってることだってあるのだから。

この点についても、"ラオス人から聞いたんだから間違っているわけがない"というスタンスで話す人は意外と多い。

ラオスに住んでるんだから、当然詳しいだろうということも、ありません。

ラオス語も英語もほとんど出来ない状態でラオスに住んでる人とかも、意外と多い。
そんなので海外に住めるの!?と思われるかもしれないけど、これが住めるんです。
例えば、会社から派遣されて来てたりすると、日本語通訳が付いて、ドライバーもいたりすると、生活出来るし、仕事も出来る。
ただし、こういう人が知ってるラオスは、唯一意志の疎通が出来る日本語通訳を通しての情報が多くなるので、その人の能力や性格によって、大きく左右されることになる。
私は、ある程度、英語やラオス語のニュースや情報をチェックしているけど、そういうことも、もちろん出来ない、もしくはしない人も多い。
となると、こういう人が知ってるラオスが、どの程度普遍的なものか、微妙としかいいようがない。
当事者がそのことを認識していて、"自分が知ってるラオスは限られたものだ"と自覚していればいいけど、そうでもない人が、これまた意外と多い。

それから、これまでの経験から、なんとなく思っているのは、初めてラオスに来た人とか、住み初めてまだそんなに経ってない人の方が、断定する傾向が高い気がしていて。
それは、何かについて新しく知る時、知識が「0→1」に増えた時の感覚は、すごく知識が増えた感じがするのに対して、知識が「100→101」に増えた時は、そんなに増えた感じがしないのと同じで、自分はすごく知っている感覚になるのかもしれない。
更に、時間が経って、知識が「100」になる過程で、自分の知っていたラオスじゃない面も見えてくるから、断定しにくくなるというのもあるかも。
あと、やっぱり、知り始めた時や、もっと知りたいと思っている時って、誰かに話したくなる、という気持ちも理解できる。


なので、こういう色んな人達が話すラオスやラオス人についての内容が間違っていると言いたい訳ではないのです。
この人が見てるラオスも、その時点のその人にとってはその通りなのだし、悪気がある訳でもなく。

そもそも、
住んでる場所(首都ビエンチャンか、地方都市か。地方都市でも、南部か北部か)
立場(政府関係、民間企業、NGO、学生、フリーランス、ラオス人の配偶者など)
期間(短期、長期、1年を通して滞在するかどうか、永住者など)
などの条件によって、住む地域や住環境、知人や友人の属性、行動範囲、収入などが違うから、見てる風景も全然違う。


もちろん、"他国と比較してラオスは〇〇の傾向がある"とか、"ラオス人は〇〇する人が多い"とか、そういうことはある。
でも、"ラオス人は約束の時間に遅れてくる"傾向はあるけど、遅れてこない人だって、たくさんいる。
"日本人は真面目で勤勉だ"という傾向はあるけど、真面目でも勤勉でもない人もたくさんいるというのと同じこと。

そう言えば、昔、何かのSNSで「ラオス人は全員車の運転が下手だ」と言った人がいて、私が「たまたま、あなたの周囲に人はみんな下手だったんでしょうけど、上手な人もいますよ」って言ったら、速攻ブロックされたことがあったな…(笑)


つまり、何がいいたいかと言うと、
「人それぞれ、見ている、知っているラオスは違う」
ということ。

なので、私の書くラオスやラオス人についてのことは、ラオスに関するほんの一部のことだということを前提で、お読み下さい。

特に「ラオスについて知りたい」と思っている方がいらっしゃたら、是非、色んな人のラオスにアクセスされることを、おすすめします。

そして、まだラオスに行ったことはないけど、私や他の人から見たラオスを知って、「ラオスに行きたい」と思ってくれる人が1人でもいたら、とても嬉しいです。


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