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断捨離、要らないもの全部捨ててみた。

 ここ数年、服や物の断捨離を続けている。思いつきや勢いだけでやってしまうので、しばらくすると、そういえばあれはどこにいったのだろう、ここにあったはずだがとウロウロと無くなったものを探し回っている。
 それでもなかったらなかったで、まぁいいやと済んでいくので、その程度の大して必要のないものなのだろう。執着する心を手放してしまえば、本当に大切なものは意外と少ないことに気づく。


 こうやって物は簡単に断捨離できるのに、自分の中の要らないものは捨てられない。虚栄心、おごり、余計な責任感、正義感、他人からの評価、いやだと言えずに引き受けてしまう仕事の数々、そして何より価値観の合わない人との人間関係。

 本当はそれらに自分のエネルギーがびっくりするほど削られているのがわかっているのに見えない誰かの基準で生きてしまう。自分の本心ではこれは嫌だなダメだな思っていることも手放せず、結局同じことを繰り返しては、しんどい思いや面倒なことを抱え込んで生きていた。


 でもこの春いろいろ抱えているのが本当に嫌になって、大切なもの以外全部要らないと思うことがあり、自分の中の要らないものを思いきって手放してみることにしてみた。

 すると案外簡単に、気持ちも身体も楽になれた。執着していたはずのこともどうでもよくなった。物と同じでそれらは大して必要のないものばかりだったのだ。


 そしてずいぶん長い間忘れていた感覚が戻ってきたことに驚いた。やりたかったこと、楽しみなこと、たくさん笑うこと、それらを無くしかけていたことさえ気づいていなかったが、忘れていただけでまだ自分の中にあったことに安堵した。


 生きていれば、面倒なことも理不尽なことも思い通りにいかないことも起きるし、これでいいのかと思い悩むことも尽きないけれど、その時何を選ぶかで人生は変わることを体験した。

 断捨離は要らなくなったものを断って捨てて離れることだけど、実はそれは本当に大切で必要なものだけを選びとることでもあると理解できた。
 今どこかで悩んだり苦しかったりしている人がいたら、きっと大丈夫だと、力にならない祈りだけど伝えたいと思う。

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