「読めばわかるだろ」と怒ってはいけない

私は説明会や講演では、疑問があれば堂々と質問できるほうである。
よい質問ができたときは、話し手の方が喜んでくれるのも嬉しい。

そんな私は、手元の資料を”読めばわかる”ことを尋ねてしまったときは、ものすごく恥ずかしく思っている。だから謝ってしまう。

そして私自身、相手に”読めばわかること”を質問されると、内心でイラっとしてしまっている。
なぜ書いてあることを読まない?会議資料、新聞、広報誌、商品カタログ、求人への応募、レストランのメニュー、集合場所の地図 ..

しかし最近、人様の上にたって陣頭指揮する機会があって学んだことがある。

「実は多くの人は資料を読まないし、読んでも頭に入れない」
ということだ。
これは社会的立場、年齢、学歴を問わずある。

これはスマホ社会になって、以前より悪化しているように思う。
以前は資料を読まなければ、そのトラブルによって生じるコストがとても大きかった。
今は多くのことが、スマホ確認で、短時間でリカバリできてしまう。
飛行機の搭乗時間、病院の電話番号、恋人の誕生日。いちいち事前に確認しなくても、日常を送れてしまっている。

それを刺激したところで”意識高い”と揶揄され虚しいだけなのだ。
だから、こんなことでイラついていてはいけないのだ。こちらが嫌われチームのモチベーションが下がる。

もし目の前の人が、”資料を読めばわかること”をきちんとわかってきていたら、その人は貴重なマトモな人である。大事にしよう。

もし目の前の人が、”資料を読めばわかること”を習得しないまま、目の前にいても、それを受け入れよう。
それが現代の当たり前なのだ。
彼らなりに、他にも大事なことがある。私の資料を読んで習得させようなんて尊大な考えではないか。
一緒に読み合わせ、そして忘れた時はこのファイルを確認してくれと、申し合わせるだけだ。
それがうまく事を運ぶ秘訣なのだ。

もし今、災害や戦争が起きて通信や電気が遮断されてしまうとしたら?
その時は、その時だよ。ことが起きてないのに心配してもしょうがない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?