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二宮翁夜話 巻之一、第十五節 今の自分ではなく、未来の自分を信じる

・最初に

ビジネス書なんかでよく言われる言葉に、
「1年でできることは、思っている以上に少ない。しかし5年でできることは、思っている以上に多い」
というのがあります。

・抄訳

多くの書籍があっても読む力がなければ意味がない。
となりに金貸しがいても、自分に返済能力がなければ借りられない。
向かいに米屋があっても、金がなければ買うことはできない。

書籍を読もうと思うなら、イロハの文字を習うところから始める。
家を栄えさせるなら、小さいことから努力を積み重ねる。
それより他に、方法はないのである。

・感想

自分に力がなければ、何も出来ないという話。
誰でも最初は力がなくて、できることは限られています。といって、できることがないからと何もしないでいると、いつまでもそのまま。

今は何も出来ないとしても、少しずつ力をつけることはできます。力がつくと、できることは加速度的に増えてゆきます。
冒頭で書いた「1年でできることは少なく5年でできることは多い」というのはそういうことですね。

1年でできることは「今の自分にできること」。
5年でできることは「4年かけて力を蓄えた自分が、5年目にできること」
だと考えています。

でも、時間をかけて力をつけるのはなかなかに大変で、道の遠さについ、投げだしたくなりますが、たぶんそこが頑張りどころなのでしょう。
今の自分ではなく、未来の自分を信じる。

・原文

翁曰、万巻の書物ありといへども、無学の者に詮(セン)なし、隣家に金貸しありといへども、我に借(カ)る力なきを如何せん、向ひに米屋ありといへども、銭なければ買ふ事はならぬ也、されば書物を読(ヨマ)んと思はゞ、いろはより習ひ初(はじ)むべし、家を興さんと思はゞ、小より積(ツミ)初むべし、此外に術はあらざるなり 

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