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関節リリースって、こんなもの

今回は関節リリースについて。
関節リリースは、読んで字のごとく関節をリリースし可動域を広げる技術です。筋膜リリースの分離型を、関節に応用した感じですね。

実は、関節リリースというのは私の造語です。
数年前に(株)医療情報研究所様から指導用のDVDを出していただいた時に、わかりやすい名称として使用しました。
誰でも思いつきそうなのに、ネットで調べてみたら全くヒットしなかったので、これなら使って大丈夫だと決めました。

基本的には筋膜リリースの関節バージョン。
関節まわりの靭帯、関節包の貼り付きを再分離して、関節の可動域を広げることを目指しています。

・関節の構造

関節は、骨と骨とをつないでいる場所です。
骨と軟骨、それを包んでいる関節包、まわりを支えている靭帯という構造でできています。

膝関節と肘関節の靭帯

関節リリースが対象としているのは、この靭帯です。
靭帯も筋膜と同じくタンパク質でできていますが、関節を支える都合上、あまり伸縮性はありません。見ての通り、関節をいろんな方向から何重にも包んでいます。

靭帯でも筋膜と同じように、タンパク質の沈着による貼り付きが起こります。とくにねんざなどのケガで腫れたあと。

靭帯は伸縮しないので貼り付きの影響が大きくでます。
全体が固くなることもありますが、多いのが関節の一部だけ動きにくくなること。動く部分と動かない部分の差ができるので、動きの方向がズレたり傾いたりします。
その歪みが、痛みや不調を引き起こすのです。

・関節リリースは再分離の技法

靭帯の貼り付きには、取れやすい方向があります。
イメージとしてはテーブルに貼り付けたセロハンテープを引っ張るようなもの。水平に引っ張っても取れませんが、上方向に引っ張ると取れてきますよね。

関節の動かせる範囲は決まっているので、その中で貼り付きのとれる方向を探し、動かすのが関節リリースの技法になります。傾けたり、ズラしたり、押し引きしながら動かしたり。
そうして、くっついた靭帯を再分離してゆきます。

とくに重視しているのが足の関節。立つにも跳ぶにも歩くにも重要なのに、この関節の動きを回復させる施術をするところはまだ多くありません。
固くなった足の関節を動きやすくする施術が、もっと広まってほしいというのが願いの一つです。

 八起堂治療院ホームページ 

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