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人間の身体は、断捨離が好き

筋肉は、使わないとすぐに落ちてしまいます。
まったくの寝たきりだと、一日に5%も落ちるといいますから、相当なもの。
無重力ではなおさらで、宇宙に長期滞在した宇宙飛行士は、地上では立てないほどに衰えてしまいます。
なぜ、こんなに減ってしまうのでしょうか。

人体は断捨離主義

筋肉が落ちるのは人間の身体が断捨離したがるからです。
その徹底ぶりは'こんまりさん'以上で、ちょっとでも使わない筋肉があると、
「この筋肉、使わないならいらないよね?!」
と、ときめきもなにも関係なく捨ててしまいます。
といって、人体も理由なく断捨離主義になったわけではありません。
これには過去の辛い体験が影響しています。

私達の先祖にとって、最大のリスクは食物の欠乏でした。食べ物がなくなるとすぐ死んでしまいます。
「筋トレをして基礎代謝を上げよう!」
と言われるように、筋肉はカロリーを大量使用する器官。増えれば増えるほど、餓死のリスクは上がる。そんな環境で生き残るなら、筋肉は減ったほうがいいわけです。

とはいえ、筋肉が減りすぎると獲物も取れないし、逃げることもできない。
だったら必要最小限の筋肉を残して、あとは捨ててしまおう…
それが、我々の遺伝子に組み込まれた断捨離システムなのです。

このシステムが働いているのは、筋肉だけではありません。
骨も、脳細胞も、必要ないと判断されれば断舎離されます。
ちなみに、必要があっても断舎離されるものもあります。
……髪の毛です。はい。

断捨離から治療法を考える

私は骨や筋肉だけでなく、脳の活動自体も減らす方向のバイアスがかかっていると考えています。
脳の重さは全身の2%しかありませんが、使うエネルギーは全身の20%と、大食いな器官です。できるだけ働かせないほうが、飢餓には強い。

前回書いた肩こりのように、判断や活動を抑えるようにできているのではないか。それが、肩こりや腰痛などの問題を生んでいるのではないか…。
そんな考えから、肩こり・腰痛の治療法を組み立てているところです。

 八起堂治療院ホームページ

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