人の幸せを喜べなくなったあの日から

人の幸せがとても嬉しく
自分のことのように
喜んでいた

そんな自分はどこへ行ったのか

人の幸せを喜べない

そんなダークな人間に
いつからなったのか

私は26歳で結婚した

自分自身をありのままに出せる相手で
付き合って1年のタイミングで入籍

その頃は
運命の出会いと言わんばかりに
幸せに満ち溢れた日々を
送っていた

しかし、その幸せは長くは続かなかった

両親が離婚して
大変な思いをしたこともあり
あたたかい家庭を築くことが
何よりの夢だった


せっかくつかんだ
幸せを壊したくない


そんな頼りない想いに
しがみついてもがいてきた結果
とうとうその縁が切れてしまった


離婚の原因となる
全ての項目に当てはまる
複数の出来事が一気に重なり

気づいたら役所に
離婚届を取りに行っていた

人に別れを告げるなんて
今まで経験したことがなかったし
離婚届をとりに行く寸前までは
家族が増えたら、なんて話もしていた


人生、何があるかわからないし
自分にそんな行動力があるとは
思ってもみなかった

精神的にどん底の日々を送る一方で
周りは、出産ラッシュが続いていた

社内は祝福ムード満載
友達や親戚の妊娠もわかり

次は誰の番だとか
あなたもそろそろ？なんて
笑顔で期待する話も出てたりする

私もみんなと同じ笑顔で
おめでとうと祝福した

マスクの下は
嘘だらけの表情だったけど

自分もこうなるはずだった

そんな気持ちでいっぱいになり
仕事に手がつかなくなったし
帰りの車の中で
わんわん泣いてた

親戚の集まりでも
夜、布団に入ってから
なぜか急に涙が出てきた

だったら、自分も幸せを掴みにいけば？
そこまで考えなくてもよくない？
って言う人もいたけど

離婚の原因となる
全ての項目を一気に経験した
その傷は大きく
人間不信から抜け出せずにいる

とある条件下で
体が硬直し思考停止にも陥る
フラッシュバックのような感覚

そして周りの幸せを感じるたびに
深く深く傷はえぐられていき
全くもって傷は癒えない

人の幸せってこんなに
喜べないものだっけ？

そう問いかけてみた時に
ある答えが浮かんできた

『幸せを他人のものさしではかるな』

今自分が幸せかどうかを
他人の出来事と比べてはいないか

今日食べた夕飯がおいしかったとか
猫と一緒にぐっすり寝たとか
料理が楽しいとか


離婚後間もない苦しい状態の私と比べたら
今の生活とは雲泥の差があり


今ある小さな幸せが
私にとって今とても大きな幸せであることには
気づけていなかった

人に話すには全然インパクトも何もないし
祝福ムードなんか一切ないけど


人っていつでも
ないものねだりなんだな

近いうちに、
小さな幸せから一緒に
幸せだねって言い会える人に
出会えたらいいなとは思う

そしてその人の幸せを願い
祝福できる人になりたいと思う