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旗と筋力とライフルと~高校生篇①~

1.カラーガード部、入るってよ

時は経ち、高校へ進学。
中学の時に出場したバドミントンの地区大会でプレーを見て、憧れていた先輩がわざわざ1年の教室まで来て、バドミントン部へ勧誘してくれた。
しかし中学でバドミントン生活は疲れてしまっていたのでお断りする。
でもすごい嬉しかった。

そして他の部活はというと、非常に充実したラインナップだった。
アナウンス、合唱、マンドリン、弦楽その他諸々・・どれも魅力的だった。
正直、今でも「あの部活にしていれば・・・」と想いを馳せてしまうこともたまにあるけど、結局はこれ以外選べないんだと思う。

「カラーガード部」

わたしが高校で入部した部活である。
あまり馴染みがない方もいるかもしれない。

❝「カラー」とは国旗あるいは軍旗の意味であり、軍隊におけるこれらの旗の警護隊(軍旗衛兵)を起源とすることから、「カラーガード」の名称で呼ばれる❞ wikipedia より引用

簡単に言うと旗やライフルという手具を用いて行う団体競技(演技)である。

▼米軍によるドリル・パフォーマンス。すごいけど、はらはらする。
https://www.youtube.com/watch?v=KO4lj9GVzHk

毎年「マーチングバンドバトントワーリング大会」という大会が開催され、我が部はカラーガード部門に出場。県大会、関東大会はよっぽどのことがない限りは出場できるので、全国大会にいけるかいけないかが、毎年焦点となる。

※先程母校を調べたら、直近の全国大会に出場していた。
 すごい。おめでとう。演技みたかったな。

母校の部には強い癖があり、
①部活内での返事は裏声で「ハイ」と言う ※今でも謎。ヒャイに近い。
②活動時間内で人の話を聴くときは常につま先立ち ※筋トレ。
③一応文化部なのに、基本中庭か校庭が活動場所 ※年中日焼けする。

しかし、中学時代とはうってかわって、先輩たちは決して理不尽なことを言わなかった。なので、精神的にはかなり楽になった。ただし、今度は物理的につらくなった。(主に腕と脚、そして日焼け)

2.練習風景

演技には、複数の体形(ドリルと呼んでいた)がドリル担当によりあらかじめ作成され、ドリル毎に自分のポジションも決められている。

そのドリル移動に必要不可欠な技術が「歩幅を一定にすること」
8歩で5m、1歩で62.5㎝(たしか・・)に固定する。
これは基礎練習でとにかく体に染みつかせるしかない。

大会での競技面積は30m×30mで(たしか・・)、5mごとにポイントが打ってある。そこを基準として、自分はどのタイミングでどこに立つのか。そしてどこに移動していくのか。その移動には何歩必要で、何歩目で誰と交差するのか。(これと連動する形で手具の動作も行う)というのをひたすら練習する。

ドリルは止まった時はもちろん、移動中も美しくないと残念なので、縦横斜めのラインが真っ直ぐであるかを常に気にしないといけない。気にすることが多すぎる。

うちは県立で設備が整っていなかったので、練習はまず三平方の定理を利用して正確な30m×30mを設定することから始まっていた。(ちょっと右行って〜左行って〜紐をちゃんと張って〜とかなり手間だった)
5mポイントは釘に赤いスズランテープをグルグルしたやつを校庭にブッ刺して目につくようにしていた。

真夏は殺人的な日差しを直で浴びるので、みんな大体農業用の帽子を被っていた。ツバがあって、顔の正面以外布で覆われるやつ。おわかりいただけるだろうか・・

そして夏休みには合宿があり、ここから大会に向けて本格的な練習が始まる。

県立なので(2回目)設備が潤ってるとはとても言い難く、とにかく暑くてしんどい。ドリルシート(自分の配置図)もしょっちゅう変更されるので、それを頭に入れるのも大変。

そして消灯前に毎夜全体ミーティングがある。疲れてる上に、大体厳しい言葉が飛び交うので、さらにヘロヘロに。寝るとこも暑いし。ずっと暑い。

余談ですが、高2の時友人に「宇多田ヒカルのライブ一緒に行かない?」と誘われて、本当に、めちゃくちゃ、口から手が出そうなほど行きたかったのですが、ライブが合宿開始前日だったので泣く泣くお断りしました…。今でも行きたかったなあと思うけど、行ったら合宿はしんでた。

3.めざせ全国大会

そんなこんなで夏を乗り越えたら、秋の文化祭で大会の演技はとりあえずお披露目する。でもこの段階ではダメダメなので、これを叩き台としてさらに練習・試行錯誤を重ねて、県大会を迎える。

大会では様々な演技が観られるので、それだけで楽しいし勉強になる。やはり演技は大人数になればなるほど迫力が上がるので見応えがある。(難易度も上がるが…)

最終的に金銀銅で評価され、金がとれれば次の大会へ駒を進めることができる。わたしの代は残念ながら関東大会止まりで全国大会へは行けなかった。

4.衣装と手具について

私立と公立では衣装や手具の派手さがまっっっったく違うので、いつもいいな〜と羨ましがっていた。

うちは県立なので(3回目)衣装も旗も自作。衣装は代々受け継がれる型や作り方があるので(材料は衣装係がまとめて買ってくる)それを基に作製。しかしながら、わたしと母の手に負えなかったので、洋裁の得意な祖母に大部分お願いした。人生で祖母を崇めた瞬間ベスト2を記録している。

旗は旗で演目ごとに旗係がデザインし、作り方も考案・配布、各自作製する。(大会の演技では、だいたい旗を3つくらいは持ち替える。)

他のライフルや、高身長のメンバーしか振れない大きい旗などは、代々部の備品として受け継がれていた。
わたしはライフルが好きだったけど(だって超絶かっこいい!)、手が小さい故に扱いづらくライフル隊になれなかった…。かわりに大投隊だったけど、今でもライフル練習したい。買おうかな…


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