寝落ち明けの朝

目が覚めた。
カーテンを開けると朝焼けが見えた。
いつの間にか眠っていたらしい。

「おはよう。久しぶり。」と朝焼けが言うから、
「おはよう。もう会いたくなかったけど。」と言ってやった。
別に朝焼けは何も悪くないんだけど、
こいつを見る時は決まって生活リズムが崩れた時だ。良い気分ではない。

それでも、空は別にそんなこと気にしない。
誰に嫌われたところで、朝焼けをやめたりはしない。
…こいつに当たってもしょうがない。
それより、この崩れた生活リズムをどうにかしよう。

もう眠気は無い。開き直って起きるしかない。
こんなに早起きなら、昼過ぎくらいにまた眠くなるんだろうな。
…エナジードリンクにでも頼るか。
そう思って、小銭をいくらかポケットに入れて家を出た。

空を見ると、さっきの朝焼けがいた。
朝焼けと、青い空との境目が見える。
これを見る時は、決まって生活リズムが崩れた時だ。

でも、綺麗だ。
早起きが三文の徳だというなら、
その三文ぶんくらいの良い景色が見れた。

空は別にそんなこと気にしない。
誰に見せるために綺麗なわけでもない。
でも、綺麗だ。勝手に感動させてもらおう。
たまには早起きも悪くない。ちょっと早すぎたけど。

まだ誰もいない。静かだ。
自販機から缶が落ちてくる音が響いた。
せっかくだから缶を開ける音も響かせてやった。
もしかしたら、今の音で誰か起こしちゃったかな。
まあ、たまには早起きも悪くないよ。そうだろ?

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