見出し画像

いい先輩になりたかっただけ。

 理想の先輩っていましたか?私もこうなりたいって思うような。私にはいませんでした。おそらく私がいい後輩じゃなかったから、良くしてもらった覚えがないだけだと思うのですが。だから、こんな先輩にはなるまいと思って理想像を作り、後輩に接してきました。

 例えば、内輪ウケのしょうもない話をする先輩、後輩の前で揉め出すような先輩、要領の悪い先輩…。

 だから、私は内輪の話はしない。誰とも揉めない。要領よくしてるフリをする。仕事で残す時は、飲み物を買いに行く。教員への交渉は全部私がする。自分の首が回らなくなるほどの仕事は断る。お互い見られてると思うとめんどくさいから、SNSは交換しない。

 結果、誰の記憶にも残ってない先輩です。「いたっけ、そんな先輩」状態。またもや、気を遣うことで存在感をゼロにしてしまう。私多分、うちの代の生徒会で一番後輩にココア奢ってると思いますよ。まぁ、たった四百円ぽっちで買おうとした自己顕示欲なんですけどね。

 結局後輩のことなんて一つも考えてない、自分の自己顕示欲を満たしてるだけのダメな先輩になってました。理想を追えば追うほど、自分の理想の先輩像を押し付ける嫌な先輩。ダメだなぁ。だから仲のいい後輩が1人もいないんでしょうね…。

 今日も満たされない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?