落ちたその先は・・・ (ハケ子の深堀)


2月25日は同月2日に行われた厚生労働省における就職氷河期世代採用試験の一次選考通過者の発表がありました。ツイートしたように1436名が試験を受け、一次選考を通過したのは僅か77名です。二次選考を経て77名から厳選された10名が採用されます。

今は新型コロナウィルスの方が最優先事項ですので、今のところは宝塚市の時のように各選考時の状況が報じられることはない様子ですね。何にせよ、立ち向かった氷河期非正規1359名が1次選考落ちしました。試験に臨んだハケ子もこの1359名の一人です。粛々と不安定な生活へ戻らねばなりません。落ちる事はわかっていたにしても、少し惨めな気持ちになりました。

さて、今回の厚労省における採用試験以外にもあちこちの自治体で採用試験が行われているわけですが、ハケ子は「なんだかな・・・」と思います。というのも、マスコミも政府も、選考を通る者だけに注目し、落ちた大多数の者について考えているように思えない事です。

政府は正規雇用30万人という目標を政府が掲げています。氷河期非正規の中で不本意非正規労働者は270万人いるそうです。そこから30万人を正規にした後の残り、240万人をどうするのか?

そこについて、政府は十分な対策を示していないんですよね。なんだかなぁ・・・。残りの240万人をどうするのか、そこを突っ込んで質す人がいない。

狭き門を通ることができた人は、相当の努力やそもそも能力があるにもかかわらず不遇な立場に置かれていたという人たちであろうことは想像に難くなく、その人たちが凍結した氷河から解凍され人らしく生きられるのであれば、それは大事なことですし、努力や能力は認められ、報われるべきです。その層を支援することに異存はありませんし、氷河から解凍されてほしいと思います。

しかし、様々な事情や環境などから狭き門を通ることができない人も大勢・・・政府の目標と対比すると、240万人・・・いるわけです。門を通れる人より圧倒的に多い人数が取り残される。

その層が生きていけないくらい賃金が少なくていいという理由になりません。人として生きられないのは自己責任ということにもなりません。政府はその層を見過ごし・・・見てみぬふりをしており、社会や世間は新たな自己責任論というグローブをはめて、非正規労働者をサンドバッグとして叩く準備をしているようにも感じています。

様々な採用試験、そして政府目標の正規雇用30万人から落ちた先には一体何がどんな世界が、社会が、生活が見えるでしょうか。ハケ子はきっと、その落ちたその先を見ることになると思います。正気でいられるか、自信がありません。

願わくば、落ちた先でセーフティーネットに背を支えられ、眼前に涙に滲む青空が広がることを願ってやみません。氷河期世代のみならず、全世代がそうであってほしいと思います。

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