詩】黎明の焼却炉
台所の裏口 外の畑
一家に一つ 焼却炉
炭と錆 真っ黒なブリキの蓋
小学生が買い食いついでに
アルミ缶を焚べてみた
親戚一同 疲れを知らず
経済成長の最中
スチール缶を焚べてみた
腐れ縁の消防団でバーベキュー
炭火焼き ポリウレタンも焚べてみた
なんでも燃やせた焼却炉
君自身が灰になるまでは
君は物でありながら心を燃やす人間と似ているが
人間の想いは一生のうちに燃やし尽くせないものだ
僕は君よりずっと働き者だ
それでも残念なことに
もうあの頃と似た賑やかな夕景が
僕や君に寄り添うことは…
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