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詩)ドッペルドミナント

星の向こうを見渡せそうばほどの高みにある

しかし手の届かない宇宙の彼方は

沈黙のうちに問いを孕んでいる

松果体の不調か 不快だ

この星は我が支配下にあり

日夜 非常に正しい号令が下される

100年に一人の逸材であっても たかが奴隷だ

決起し 逆らうならば一族根絶やし

さて 我を崇めよ 

同志により発案された計画によって

我はこの次元の神となった

ここに永遠の命と理想の住処が実現しつつある

餌には毒を入れた家畜の松果体は石灰化し

我々ように神通力が目覚めることはない

逆らうために十分な気力も知恵もないであろう


我は新しい肉を持って地上へ降り立ち

またも新しい歴史の英雄となろう

そして愛しい者の輪廻による会合を待つ

さあ戦争を起こせ

このように完璧な我であっても懸念すべきことがある

前回の英雄遊戯にて

酒場で見かけた家畜たちが憩い笑う姿を思い出すと

同志諸君の忠誠が愚弄された気分となり不快である

そのときの歌 ブルースというらしい

ブルースについて説明せよ

直ぐにでも黙れと云えば黙れ


ック

ん?何だ

今笑ったな 我を愚弄したか

どうでもよい 不愉快だ

直ちにこの者を処刑せよ

男はさらに鼻で笑うのを我慢していた

まだ諦めるな 開き直るな

皇帝は絶対に優位で対等に付き合うってことを知らない

年長の側近にさえ軽口を言わせない

それでいて実は砕けた関係にも憧れてやんの

とうとう我慢出来ずに笑ってしまった

常に支配をすることを考えて他人を試さないでいられない

なんて幼稚な支配者だ

アンタのファンタジーのおかげで世界の99%が奴隷で不幸だ

皆んなごめんよ 秀才のオレがこんなイカれたガキの天下を守っているなんて

でももう馬鹿らしくなった

これは自由を勝ち取ろうとせずに服従した人類の罪だ

完)ドッペルドミナント













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