見出し画像

浪漫的装飾女子 弐

刺青


 馬道を通うお客は、見事な刺青(ほりもの)のある駕
 籠舁(かごかき)を選んで乗った。吉原、辰巳の女も
 美しい刺青の男に惚れた。博徒、鳶の者はもとよ
 り、町人から稀には侍なども入墨をした。
 時々両国で催される刺青会では参会者おの
    /\肌を叩いて、互に奇抜な意匠を誇り合い、評       しあった。

   .........................(谷崎潤一郎「刺青」より)

🦋🦋🦋🦋


こんにちは、黄泉竈食たまきです。
今回は私のアイデンティティの一つであるタトゥーの話をしようと思います。

タトゥーには意味を込めて彫ったりされる方も多いかと思われますが、私が彫る理由はほぼ1つです。

自分を芸術作品にすること。

タトゥーそのものが美しいものですので、己をより一層引き立ててくれるのではと思っています。
私は、何かを表現したり伝えたりを物作りでできなかった者ですが自分自身の肉体でなら表現出来ると思ったのです。


🦋🦋🦋🦋


例えば、背中です。

これは彫りたてですが身体を這う蛸と蛾の美しさはもちろん、首筋と首の真ん中のきらめきが身体のバランスを整えてくださっています。

タトゥーを彫る方には、1人の彫り師さんに彫っていただくタイプと複数の彫り師さんを回るタイプがいます。私は後者です。

1人の彫り師さんに彫って頂いて1つのまとまった作品にするのもとても素晴らしいと思いますが、私は違う方々の作品が混じりあって1つの作品になっていく姿が愛おしいのです。

背中に関しても、月と蛾とその下の作品は同じ方ですが蛸やきらめきは別の方です。

作風も違うのに混ざり独特の味わいを生み出しております。


🦋🦋🦋🦋


様々な偏見もあるタトゥーですが、私は芸術作品として見ております。

私はそんな美しいものを沢山見て自分の体に産み出していきたいのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?