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不倫相手の子を産むまでの話3〔別居、そして第二子出産〕

破壊です。
記事を目に留めていただきありがとうございます。

前回、夫から平手打ちを受け、実家に戻る準備をした所で終わったのですが、今回はその後の話を書きます。

第二子出産まで2ヶ月を切っている娘を殴った婿(夫)に対し、私の両親は良い顔をしませんでした。
そして、第一子とともにしばらく実家でお世話になる事が決まりました。

私の中では平手打ちをされた事で何かが切れ、離婚という二文字が頭を支配するようになっていました。
まずは第二子を無事に産もう。そして産んだらすぐに保育園を探して仕事してお金を貯めて…

自分の事しか考えていない自分がいる事に気付いた時、 絶望と夫への不満が爆発しました。
夫さえ謝ってくれたら、夫さえ変わってくれたら…頭の中はそれしかありませんでした。自分は何も悪くないと信じて疑わなかったのです。

実家にお世話になり始めて数日後、父が「相手の両親(義実家)にこの事を話したほうが良いんじゃないか」と提案してきました。
私もそのつもりだったので、早急に義理の母に連絡を取り、翌日には片道60キロ以上ある義実家に第一子を連れて訪問しました。
義実家の方々は悪い人達ではないのですが、どうも浮世離れしているというか、世間の常識を常識と思っていない節があったので話が通じるか不安でした。
でも、話さないといけない。
世間話の後、バクバクする心臓をおさえながら、夫の今までの事、平手打ちを受けた事を全部話しました。

義理の母は謝ってくれました。
昔から夫は怒りっぽい性格だったようで、私と結婚して大分丸くなったなと思っていたのに残念だ、とも話してくれました。
が、義理の父は

「そういう事もいつか笑い話になるさ」

と笑って言ってきました。

笑い話?
夫の叫び声に耳を塞いで夜をやり過ごした事が?
悪阻中の私に無断で友達を急に泊めた事が?
理不尽な事で私をビンタした事が?

なるわけねぇだろ、ボケが。

そう言いたいのを堪え、なんとか笑顔を作って、「そうですね〜(笑)」と言うのが精一杯でした。
義父の発言にショックを受けすぎて、離婚も視野に入れているという話までは漕ぎ着けませんでした。

私は涙を堪えながら車を運転し、実家に戻り、義実家での一部始終を話しました。
両親は怒ってくれました。自分達が話をつけてきても良いと言ってくれましたが、断りました。
もう闘う気力も何も残ってない上に、これ以上両親に迷惑をかけたくない、と思ったのです。
今思えば甘えてでも話を付けてもらえば良かったのかもしれないけど。

別居中も、旦那からはLINEが何通か届きました。
別居という事実に情緒不安定になっているようで、「ごめんなさい」と何行も書いたLINEが何度も何度も届きました。
「戻ってきてくれないなら死にます」と届いた時には、夜中の何時だろうと急いで夫の元に行き、土下座して「死ぬのだけはやめてほしい」とお願いしました。

そうしていくうちに、私の精神はどんどん摩耗していき、実家にお世話になっているのにも関わらず精神状態は悪くなっていく一方でした。
これだったら夫のいる家に戻ったほうが良い、そう考えて約3週間お世話になった実家を離れました。
両親には止められましたが、真夜中に「死にます」と何度もLINEが来たという事実と、本当に夫が死んだら取り返しがつかないから…と説明し、心配な顔をした両親に背を向け、夫の居る我が家に戻りました。

戻ったあと、夫に
「お願いだから死ぬと簡単に言うのはやめてほしい。頭を冷やしたくて実家に行ったけど、あなたの元に駆けつけているうちに私がおかしくなりそうだった。いや、もうおかしくなりかけてる。」
「私がおかしくなったら、あなた一人で子供の面倒みれる?」

その言葉にハッとし、咄嗟に俯く夫。そしてか細い声でやっと「色々とごめんなさい」と謝ってくれました。

この日を境に夫は普通の人間に戻りました。
相変わらず他人を見下すような発言はちらほらありましたが、ゲームをやりながら暴言を吐いたりすることも無く、お風呂や歯磨きもきちんと行い、第一子の育児も積極的に関わるようになりました。
そして、家計管理も夫から私へと移り、ようやく安定した生活が送れるようになりました。

が、私はというとこの一件で完全に夫への愛は冷めていました。
今は子供の為に稼ぎ頭が欲しいから、我慢しよう。そして働けるようになったらすぐ働いて、貯金して離婚するんだ。
その事しか頭にありませんでした。

そして予定日翌日、第二子は健康に産まれてきてくれました。
夫は第一子の面倒をみなければいけなかったので出産には立ち会いませんでしたが、その後すぐ面会に来てくれて、第二子の顔を見て心底嬉しそうな顔をしていました。
冷めきった私の顔など眼中にないかのように。

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