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和階堂真シリーズのドット絵

どうも、墓場文庫のハフハフ・おでーんです。

私ことハフハフ ・おでーんは「和階堂真の事件簿」でグラフィックを担当していますので、今回は記念すべき第1回ということもありまして和階堂真シリーズのドット絵についてお話したいと思います。

■モノトーン+赤の秘密

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「レトロ」「ファミコンみたい」「枯れたドット絵」などと言われることの多い本シリーズですが、「モノトーンぽい4階調+赤」という限定した色数でドット絵を描いております。これはファミコンよりもはるかに少ない色数ですね。

ノワール映画のようなハードボイル味を演出するという意味もありますが、実際は作業工数を圧縮するためという意味合いが強いのです。
本シリーズは「3ヶ月に1本リリース」という目標を掲げて開発していましたので、背景やキャラクターをがっつりフルカラーで描くとなると中々大変だったのではないでしょうか。

色数を限定すると表現で苦労することももちろんありますが、逆に「何をみせたいか?」に集中できるので相当効率的に制作ができたと思います。
1作目の「処刑人の楔」に比べると3作目「影法師の足」なんて、我ながら4階調での表現も上手くなったなぁと思っている次第ですが皆様いかがでしょう。

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■ミステリーとドット絵

和階堂シリーズの開発を始めるまで考えてもみなかったことなのですが、ミステリーとドット絵って実は相性がいいのです。

えーーーーーー、突然ですがっ、ここで私、ハフ畑任三郎が簡単なクイズをお出したいと思いますぅーーーー。
このドットで書かれた文字!えーーー、これは一体何と書かれているでしょう。お分かりになりますぅーーー?

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分からない?
分からないとおっしゃる?
んふふふふふっ、そうですよねぇーーーー。
1文字が3×3で書かれた文字で読めるのは、ローマ字の「C」や「I」「O」などの簡単な記号くらいですぅーー。
そうですーーーーー、読めるはずなんてないんですぅーーー。
ではこれだとどうでしょうーー?

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こういうの街中でご覧になったことありますよねーーー。
そうですーー。これ「安全第一」ですーーー。
1文字が3×3のドットでは、複雑な漢字の表現はできませんーーーーー。
ではなぜこのドットを安全第一と読めたのでしょうかーーーー。
それが分かればこの事件は解決ですぅーー。
ハフ畑でしたぁーーー。

…。
いや、我ながらひどい茶番ということは認識してますよ?
とはいえ、この「安全第一」に、ミステリーとドット絵の相性の良さが隠されていると思っています。

読めないはずの文字を読める文字にしているのはなんでしょうか?
それはずばり「推理力」です。
工事現場のフェンスに描かれた文字…かろうじて読める「一」…どこかでみた中央の「+」マーク…
「きっとここに書かれている文字は安全第一なのだ」と脳が推理して補完しているのです。これってミステリーみたいだと思いませんか?

■キャラクター表現の失敗

ドット絵表現がうまくいってる部分もあれば完全に失敗した(と思っている)部分もあります。
それはキャラクターの表現です。

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和階堂真シリーズの登場人物はすべて、白と黒の2色で表現しています。
これは背景との対比でより目立つようにそうしたわけですが、そうしたことでキャラクターの表現は相当制限されました。

人物の描き分けだけでなく立体感の表現など、苦労することばかりでメリットはさほどなかったなぁと思っています。

時間を1作目の開発まで巻き戻せるなら絶対に阻止します。
「やめろ!馬鹿!1作だけじゃないんだ!シリーズが続く限りずっと2色キャラで苦労するぞ!」とあの時におでんに言ってやりたい。
目立つという理由だけでキャラクターを2色にするもんじゃないですね。せめて3色です。

■最後に

Twitterの和階堂アカウントが墓場文庫アカウントに変わったことをご存知でしょうか?
2020年9月からスタートした「和階堂真の事件簿」シリーズですが、この1年で3作をリリースすることができました。Google Indie Game Fesでの受賞やSwitch版移植の決定など、作っている我々が驚くほどシリーズタイトルとしても成長することができたと思っています。
これからの1年は新しいシリーズにも取り組んでいきたいと思っておりますので、我々の「墓場文庫」とチームメンバーを今後ともよろしくお願いいたします。


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