見出し画像

和階堂真の事件簿ができるまで

こんにちは。みんなの暮らしを、人を。モチキンです。

こちらのnoteは墓場文庫というよくわからない物になっていますが、実質、和階堂真の事件簿開発チームでバトン形式で回して、どうでもよいことを書き散らすnoteになっておりまして、とうとう私の順番が回ってきちまったってわけなんですよ。とほほ。

というわけで、今回は「和階堂真の事件簿ができるまで」と題して、それまでの経緯や技術的なお話なんかをしてみたいと思います。

■はじまりはいつも雨

昔のASKAの歌は良いですね。

さて、まずは開発経緯なのですが、ハフハフ・おでーん氏と私モチキンは「スカシウマラボ」というユニットを結成しておりまして、ライブ活動を行ったりゲーム開発を行ったりしておりまして、「サムライ地獄〜九天魔城の謎〜」を絶賛開発中でした。

スクリーンショット 2021-10-27 16.29.18

開発は2017年くらいからしていた節があるのですが、二人ともガッツリと開発できる時期とできない時期があり、当初は1〜2ヶ月フルに頑張っていたりはしたのですが、なかなか進捗も悪くなり、お互いに自分の仕事も忙しくなりと、開発にかける時間がとれず停滞気味になっていました。

そんな時、2020年の未曾有の事態を迎え、多くの人の行動が制限されることによって、図らずも2人のスケジュールが空くタイミングができたのです。

2人とも、とりあえず向こう2ヶ月は開発に集中ができそうだということになり、サムライ地獄についても話し合いをしました。ですが、この時のスカシウマラボメンは

「ていうか、ゲームってどうやって作ってリリースするんだっけ…?」状態だったのです。

ああ、時の流れはなんと残酷なのでしょう。しばらくプロジェクトから遠ざかってしまえば、素人同然、赤子同然なのです。そうして結論が出ました。

「よし、リハビリでゲームを作ってリリースしよう!」

■NewGame

毎度毎度、すべてが突発的にその場のノリで決まってしまうスカシウマラボですが、まず1つの指標を定めました。

「1ヶ月でどんなものでも良いのでゲームを開発し、それがどんな出来だったり中途半端なものだったとしても気にせず、ストアにリリースを行う」

これが大前提でした。これさえ決めていればエターナルことはない。また、最初からそういうつもりで望んでいれば、リリースした後にクソゲーだのなんだの言われても、まったく痛くもかゆくもない。鉄壁の布陣、これがスカシウマラボ流リハビリゲーム開発だ!

というわけで、この段階でUnityで新規プロジェクトを作りました。タイトルはまだないし何の方向性も決まっていなかったのでプロジェクト名は「NewGame

そう、和階堂真の事件簿はリハビリで始まり、ずっと「NewGame」というプロジェクト名で作られていたのです。

なんだこのどうでもいい話は。

■淡い横スクロールADVへの憧れ

何も決めずに始まったリハビリゲーム開発ですが、2人とも「2D横スクロールアドベンチャーを作ってみたい!」という意見があり、ゲームジャンルはすんなりと決まりました。

と、言うのも、ちょうどこの話し合いをしている直前にリリースされたhako生活さんの「アンリアルライフ」

また、ハフハフ氏がドット絵で参加もしていて大ヒットした、しんいち氏の「World for Two」

それ以外にも、インディー界で注目されていた、yutaさんの「Strange Telephone」やnakajimaさんの「From_.」

このあたりの作品のヒットを見せられて育った世代でありましたので、「俺たちも…俺たちも、2D横スクロールアドベンチャーだったら、ちょっと感動作品的な?やつ?作れたりしちゃったりするんじゃないの???」

なんていう、淡いKOI-GOKOROというか、スケベ心みたいなものを恥ずかしげもなく出していくおじさん2人なのであった。

それ以外の理由で言えば、ドット絵だとおでんさんの手が早いしADVの知見もあるということで、この方向性ならば1ヶ月でいける!という算段もあり、2D横スクロールADVでいくことが決定されたのです。

いつになったら技術的な話が出てくるのか。タイトル詐欺もいいとこだ。

■まずは制限を作り、その中でできることを探る

方向性も固まりましたので、1ヶ月で開発する目標を達成するために更なる制限を課すことを決めました。

と言うのも、いくら2D横スクロールADVを作るといっても、0ベースで作ると、どんな機能でも作れてしまうため、またエターナル可能性が出てきてしまう。そこで、既に存在する仕組みを利用して作ることで、出来ることに制限を持たせて、その中で試行錯誤工夫をして作れば、必要以上に膨らむことを抑えることができる。これはゲーム開発で大事なことなのではないかと個人的に思っております。

というわけで、Unityの有料アセットである「Adventure Creator」をベースに作ることにしました。

これは結果的に正解でして、最初のセットアップまでの道のりは非常にイバラの道ではあるのですが、そこさえ乗り越えてしまえれば、とても強力なフレームワークになると思いました。

しかしながら、Adventure Creatorの日本語ドキュメントがほぼなく、使って作ってまーすという事例もどれだけ検索しても見つからないため、そこがネックではあると思います。結局一部魔改造に近い改造を施し、ほしい機能を追加したりしていますので、ご利用は用量/用法を守って正しくお使いいただきたい限りです。

また次の執筆機会があれば、内部構成などもう少し詳しく書いていきたいとは思っていますが、今想像しただけでかなりめんどくさそうなので、本当に書くかどうかはわかりません。技術的内容とはなんだったのか。

■やっぱミステリー好っきゃねん

肝心のゲーム内容ですが、当初は脱出ゲームやSF物という方向性を相談していたり、感動できるハートフルストーリー的なやつとかを模索していたのですが、良いような悪いような、なんだかパッとしねーなーということで一旦没に。

なによりストーリー的なものが絶望的に作れない2人ですから、キャラ同士の掛け合いで何かひとつできないか、ということで、もとよりミステリー好きだったので、じゃあミステリーならなんとかいけるんじゃないだろうか、ってことでふんわりとミステリーに決定。

おでんさんがノワール映画をイメージして描いたドット絵をモチーフにしてやってみようかという所から構想を開始しました。

作り方としては、今回はおそらくかなり異色です。

一番時間がかかりそうなデザイン作業をまず終わらせるというわけのわからないスケジュールを立てて、まず場面だけをとにかく決める。ということでミステリーに出てきそうな場所を大喜利的に出していき、話も一切決まっていないのに場面(シーン)を全て決定。そこから逆算して登場人物やストーリーを決めようぜみたいな、どんな作り方だ一体。

その後は、こんなストーリーどうやろ、こんなどんでん返しどうやろみたいなアイデアを大喜利的に出し合い、それらの良い所をうまくつないで、それらしき一本のストーリーを作成。後はそれにあわせて登場人物達との会話を作ればできるんちゃうか!いけるでこれは!みたいなあたりで1ヶ月が経過しました。終わった…

■ゲームは1ヶ月では完成しません

結論が出てしまいましたが、こういうことです。ゲームは1ヶ月では完成しません。しなかったのです。完。

実際の所は、以前の案件の残作業や、新しい単発の開発案件などが差し込まれて、それらをこなす必要があったので、当初予定していたようなガッツリ作業時間がとれなかったというのもありました。

ただ、まあこれじゃいかんということで、1ヶ月→3ヶ月に伸ばし、相談の上「墓場駆動開発」を行うことになりました。

ーー「墓場駆動開発」とは?ーー

私は開発が始まる少し前に、ニンゲンとの営みに疲れ切って精神が摩耗したクリエイターの集まる「墓場Discordサーバー」というのを作っていました。そこにたむろしている連中に「開発どうなってんだ?早くしろよ?」とお尻を常に叩いてもらう。そのプレッシャーにより3ヶ月以内の開発完了を余儀なくされる。それが「墓場駆動開発」なのである。

という感じで、墓場Discordサーバーで希望者を募り、都度進捗を公開して、お尻を叩いてもらっていました。その時集ってくれたのが、現在コアメンバーにもなっている、ウラベロシナンテ、きっきゃわ、あだPのお三方なのでした!

さらには、その3人に、どうせなんで手伝ってくれてもいいよ!と声をかけた所、快諾。ウラベロシナンテ氏はタイトルボクセル作成兼、ケツ叩き役。きっきゃわ氏は台詞回し作成・演出・ストーリー壁打ち役。あだPは音楽、とそれぞれ素晴らしい働きの末、無事3ヶ月で「和階堂真の事件簿」をリリースすることができたのでした。完。


こんなことが書きたかったのだろうか。ちょっとよくわからなくなってしまいましたが、長くなってきたし、読む方も疲れるでしょうから、今日はこのへんにしといてやるよという気持ちです。おとといきやがれって感じです。

それではまた、バトンが回ってきたらお会いしましょう。さよなら。さよなら。さよなら。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?