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和階堂真の事件簿~処刑人の楔~の作曲手法

墓場文庫のあだPです。BGMと効果音を担当しとります。
第3回の担当を仰せつかりましたので、何か書いてみることにします。

悩みましたが、今回は和階堂真の事件簿~処刑人の楔~の作曲の手法とか、BGM作成の時の参考曲とかについてふれていこうと思います。

■BGMの作曲手法について

まず、作曲ってどうやってるの?ってよく聞かれるので、僕なりの作曲の方法について書いていきます。

やり方は色々あるんですが、和階堂真の場合は、主に以下の2パターンです。

○パターン①:参考曲を提示してもらって似た感じに作る
○パターン②:グラフィック担当ハフハフ・おでーんさんの絵を見て閃く

順番にみていきましょう。


パターン①:参考曲を提示してもらって似た感じに作る

決してパクっているわけではありません。ほんとですよ?あくまでも似た感じに作ります。

どうやって似せるか…という話ですが、まずは参考曲を聴きまくって脳みそに浸透させます。
するとですね、頭の中で別のメロディが鳴り始めますので、それを書き起こします。
あとは楽器の編成は参考曲と揃えてあげて伴奏をメロディに沿ってつけると…

あら不思議

割と参考曲に近い感じの曲ができあがりです。
参考曲に特徴的な伴奏のフレーズがあれば、取り入れてあげるとなおいいですね。


■パターン②:グラフィック担当ハフハフ・おでーんさんのドット絵を見て閃く

特に、「紫煙(バーのBGM)」なんかそうなんですが、絵を見ただけで曲を閃くことがあります。
このパターンでできた曲は、高確率で僕のお気に入り曲になります。

「こんなやねん」とバーのくたびれた…ゲフンゲフン1970年代を模したようなドット絵を見せられた時、もうこの曲が頭で鳴ってました。
ほんと、メロディから伴奏まで全部です。それを書き起こしただけ。不思議なもんですね。


■BGMの参考曲について

参考曲を聴いて作った和階堂真の事件簿~処刑人の楔~のBGMは、下記の3曲です。

○凄惨:フィールドBGM
○真眼:推理シーンBGM
○洗教:殉教者の館BGM

下記のURLのサウンドダイジェストで、それぞれ02、04、05にあります。
ぜひ聴いてみてください。


■凄惨:フィールドBGMの参考曲
フィールドBGMはゲームの中で一番多く聞いてもらう曲なので、特に力を入れて作らなければいけないわけです。早速メンバーに曲のイメージについてヒアリングをすることにしました。

まず、このゲームのイメージってどんなんですか?と聞いた時に、こんな回答がメンバーから返ってきました。
「1970年代やねん」
「あと火サス(火曜サスペンス劇場)ね!」
「崖とか出てくるしなw」
ほうほう…。というわけで、火サスの劇伴曲を中心に参考曲を探します。

火サスに限らず、こういう推理ドラマの曲って「ズンズン(ベース)」「チャーン(ピアノかなにか)」という特有のフレーズがある気がしました。

そのフレーズを軸にして曲を起こしています。


■真眼:推理シーンBGMの参考曲
ある日、こんな注文がありました。
「推理シーンはな、サイケな感じにしたいねん」
ほうほう…。とはいいつつも、推理の雰囲気は大事にしたかったので、1970年代の推理ドラマ劇伴曲を中心に参考曲を探します。

推理シーンの曲を数曲参考にしながら、エフェクトバリバリで作ったら案外いい感じになりました。


■洗教:殉教者の館BGMの参考曲
唐突ですけど、僕、イトケン(伊藤 賢治)さんの曲が好きなんですよ。ロマンシング・サ・ガとか。
宗教の建物のBGMと言ったら、もう僕の中ではロマンシング・サ・ガ3の聖王廟のBGM一択です。

それと、僕、実は某宗教の建物の中に入ったことがありまして。
独特の、胸が詰まるような空気感があるような気がするんですよ。宗教施設って。
その空気感をうまく表現できたかなと思っています。


■最後に

こんな感じで、和階堂真の事件簿~処刑人の楔~のBGMは完成しました。

そんなに苦労もせず、すんなり出来た割にメンバーからも好評で、ユーザーさんからもちらほら好評ツイートが流れてきていまして、嬉しく思っています。これからも精進していきます。

今後も和階堂真の事件簿ならびに墓場文庫を宜しくお願いします!

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