猛犬注意
柴犬は噛む犬だ。
いや、うちの子は噛みませんよ、という飼い主さんもいると思うけれど、狩猟犬であり、一番狼に近い犬種ということもあり、噛む傾向の高い犬種であることは確かだろう。
柴犬は過去に、女の子の母娘3匹を飼ったことがあって、性格はそれぞれ違うけれど、人を噛むような子たちではなかった。
そして今いる柴犬くんは、はじめての男の子柴だ。
いつも笑顔で可愛らしく、甘えん坊で好奇心が強くて、はしゃぐのが好き。でも、気ままでマイペース。その一方で、警戒心が高くて超びびりである。
そして、狼の血を忘れない?柴犬くんは、噛む犬だ。
柴犬くんの前に飼っていたシェルティくんは、とても賢く繊細な性格で、うっかりちょっとでも歯が人の手に当たったりすると、申し訳ないことをしてしまった!と動揺して、しょんぼりするので、思わず、「いいんだよ!痛くないよ!」などと言いながら、ぎゅっと抱きしめてしまうくらい、噛むことに抵抗感があった。
コリーに間違われるくらい大きなデカティだったので、立派な犬歯を持っていたけれど、全く攻撃的ではない子だったのだ。
けれど、柴犬くんはなんというか、困ったことに、噛むことへの抵抗感がとても低いのだ。
子犬の頃の甘噛み期にはとても苦労して、大人になった今でこそ、滅多矢鱈に本気で噛み付くなどということはないのだけれど、お散歩のあとの拭き拭き儀式では歯を剥き出すし、ブラッシングには激抵抗。鼻に皺を寄せ、うぎゃぎゃぎゃっと、お口がぱかーっと開くのである。
当然、動物病院では診察台に乗せられると、危険犬物として、ささっと神業の速さで口輪を装着される。大人しく診察を受けてはいるものの、時折り低く唸っていて、口輪をしていなかったらいつ獣医さんを噛むか、知れたものではない。
こういう子は、たとえば食べ物が歯に引っかかったときなど手がかかる。
シェルティくんだったら、口の中にさっと指を入れて食べ物を取ってあげるのはとても簡単だった。
なんなら、挟まっちゃったから取ってくれませんかという風で、しおらしく、抵抗もしなかった。
一方、柴犬くんは、何するんだ!!やめろ!と、目を剥いて口をそむける。
それでも、とっ捕まえて、さっと指を差し入れて、ここだと見当をつけて食べ物を取り出している。
大抵は下の奥歯の外側(頬と歯の間)に挟まっていることが多い。
毎晩寝る前にはデンタルジェルを歯茎に塗りつけるのだけれど、口の中にうにっと指を入れて塗りつけるとき、噛むぞ噛むぞの雰囲気満ち満ちだ。
でもまあ、噛まれることはない。
ただ、私がいつもやっているので、他の人がしたらどうなるかは分からない。
柴犬くんは目に疾患があるので、毎日何度も目薬を差さなければいけない。
当然のごとく、目薬が差せるようになるまでは大変だった。
抵抗激しく、なだめすかし褒めまくり、おやつを与え、差せるようになるまで1ヶ月かかった。
私が諦めたら終わりだ、と、日々取り組んだ成果が今にあるわけだけれど、犬を飼ったら病気のないうちから、目薬の練習をしておけばよかったなと思う。
まだ目に問題のない犬の飼い主さん。
ぜひ、今のうちに目薬に慣れさせるといいです。のちのちとても助かりますよ。
そして最後に、フレンドリーな犬を飼っている方に、気をつけてほしいことなのですが。
うちの子は大丈夫!と、無警戒に他の犬に近づけると、とても危険です。
特に小型犬で、極まれに、うちの子は大丈夫だからとノーリードの子がいますが、超危険です。
うちの子はフレンドリーでも、無邪気に向かうその先のわんこは、警戒心とびびりの鎧を着た噛む噛むわんこかもしれません。
そう、うちの柴犬くんみたいに。
こちらがいくらリードを短く持っても、急いで抱き上げようとしても。
無警戒ノーリードで来たら、最悪がぶりとやられます。
それはお互いに不幸そのもの。そんな日が永遠に来ないことを願っています。
みんなフレンドリーとは限りません。猛犬注意です。
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