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ライラック杯 勝手に白果賞 俳句 短歌 川柳


運営の皆様、お忙しい中ありがとうございます。

勝手に賞を贈らせていただきます。

俳句と短歌、それから自分では参加していないのですが(・∀・;)、川柳です。
絞りに絞って、これはどうしても好きだと思った、各部門5作品ずつに白果賞を贈らせていただきます。


先入観なしに作品そのものを味わいたかったので、各部門ごとの一覧から選びました。
コメントも作者様の記事内容と無関係に書いています。的外れな感想になっていたら、ごめんなさい🙏


それでは、はじまりはじまり👏
(一覧の番号順に発表します。順位はありません)


🌷俳句

花丸の並ぶ手帳の春めいて
うつスピさん

手帳に花丸。何の予定が書いてあるのでしょう。それとも、過ぎた日を振り返って、日記のように花丸を付けているのかも?
春。いい日ばかりではないけれど、桜が咲いたよ、君が笑ったよ、と小さなことでも花丸を付けていけたら、夏が来る頃にはいい春の日があったなと思えるかなと、しあわせな気持ちになる句でした。


音程の外れし歌よ春の空
くーや。さん

音が外れていても気にしないで、伸びやかに春の空のもと歌っているのが、のどかでいいなと思いました。
春の空は眠いから、きっと外れた音の歌でもふんわり包んでくれそうです。
胸の奥に、気持ちのいい春風が入ってくる句でした。


青き踏む犬と仔牛と鶏と
鮎太さん

春が来て喜ぶのは、人間だけじゃないですね。木も花も山も、動物たちも躍動する。
「犬と仔牛と鶏と」のリズムがよく、寒い冬の後の命のきらめきを感受している句だと思いました。


コンビニのおにぎりでいい春の海
ひろ生さん

春の海に出かけるとき、手作りのお弁当を持っていくとか、海の近くのお店でおいしいランチを食べることもできるけれど、コンビニのおにぎりでいいよ、という。
春の海があるから、それで十分。いや、むしろ春の海そのものを邪魔しない、さりげないコンビニおにぎりじゃないと。
そう、読みました。
春の海には行ったことがないのですが、どんな色で波で匂いがそこにあるんだろうと、旅に出たい気持ちになる句でした。


転んだらまかしときなと春の土
山口絢子さん

春、新しい環境や挑戦の季節。
失敗するかもしれないけれど、そのときは、足元の春の土が頼もしく「まかしときな」と言ってくれていると思って、また一歩進もう。
大地が受けとめてくれるんだから、怖がることないんだな、さあ前へ!と思えた句でした。

🌸短歌

ていねいに春の日を生きていきたくて心の底からさくらがきれい

思うよりきちんと話せない日にもさくらが泳ぐ絵のような窓

葵花さん

葵花さんの短歌からは2首を。
どちらの歌にも桜が詠まれています。
ちょっとうまくいかない日であっても、そんな自分とは関わりなく、きれいな桜が咲いている。そして、ちゃんとそのことに気づけて、きれいだなと思える。
うまくいかない日も、楽しい日も、等しく私の一日であるから、だいじにしよう。目を周りに向ければ、どんな日にも世界にはきれいなものがあるんだ、と思えた歌でした。素敵です。



気遣ってくれるあなたは私より忙しいのにままならぬ春
すーこさん

優しい人、気のよく利く人って、得てして自分を後回しにしがちです。
この短歌でも、きっと「気遣ってくれるあなた」は、そういう人なのでしょうね。
そして、「私」も、その人の忙しさ優しさをよく分かっている、優しい人なのでしょう。
ままならないけれど、きっと忙しさが一段落したら、今よりもっと二人は親しくなれるはず、と思った歌でした。



農家も限界近しと思ひつつ土にたつぷり光まぜゆく

鮎太さん

身近に農業をしている人がいるので、その大変さは見聞きしています。
この短歌は、農業をしている人の実感に満ちています。
厳しい農業ではあるけれども、「土にたつぷり光まぜゆく」という言葉に、農業への喜びや愛情を感じます。
春の、日々眩しさを増す光のなか、収穫への期待を胸に黙々と働く様子が見えるようです。


春の夜の月の欠けてまた満ちるだれかがひとつしあわせになる
につきさん

静かな歌です。月が欠けて、また満ちていくうちに、誰かがしあわせになる。
その誰かは、知っている人でも見知らぬ人でもいい。もちろん、歌を詠んでいる作者でなくて構わない。
しあわせも、大きくてもささやかでもいい。
誰かがどこかでしあわせになることを、それはそうなるものなんだよ、とてもいいことだね、とやわらかく受けとめている歌だなと思いました。


🌼川柳

思い出が渡り廊下に残響し
pokazoさん

思い出が残響しているという表現が好きです。誰もいない、しーんとした廊下に、耳では聞こえない思い出という残響がある。
ひっそりとした、卒業式後の校舎を想像しました。


ランドセル背負って隠す羽の痕
たんぽぽの半濁点を吹き飛ばす

前川あすかさん

前川あすかさんの川柳からは2句を。
ランドセルの句は、幼い子の背中に、まだあるかもしれない?羽の痕が可愛らしいです。ランドセルしょって、だんだん人間になってゆくのかな。
たんぽぽの句は、半濁点を吹くという発想が、綿毛を吹くイメージぴったりで楽しい句です。


黒鍵をスキップしている小さな手

佐竹紫円さん

ピアノを習い始めて間もない、幼い子でしょうか。
手が小さいうちは、黒鍵は遠くて手が届きづらいんですよね。
「黒鍵をスキップしている」という表現に、楽しそうにぴょんぴょん小さな手を弾ませて、一生懸命弾いている幼い姿が浮かびました。上手になりますように。


空き家増え村はいつしか神の里

Sen-singさん

年々過疎化が進み、空き家ばかりという地域も珍しくなくなりました。
人が去り、あとには朽ちていく空き家ばかり。庭や野山は草木が繁り寂れていく。と、マイナス面にばかり目がいってしまいがちですが、「神の里」になるという言葉に、はっとしました。
そうか、人が住む前はそもそも神住まう土地であり、人が去れば元に戻るだけなのかもしれないと。
とかく、人間中心に物事を考えてしまいますが、こういう見方もあるのですね。
夜も更け、月明かりのなか、古家の縁側で神様たちが宴会をしているかも?と、楽しい想像をしました。



勝手に白果賞は、以上の15作品に贈らせていただきます。受け取っていただけると嬉しいです。技術や絵心がないので、素敵な賞状などは作れないのですが(・∀・;)

素晴らしい作品をありがとうございました☺



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