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感想『クスノキの番人』東野 圭吾

パワハラ、リストラ、給料未払い・・・
追い詰められた玲斗は、かつて勤めていた会社へ高級機材を盗みに入る。
しかし、呆気なく逮捕されてしまう。
彼に会いに来たのは、高級スーツに身を包んだ男性。
どうやら『ある方』の代理で保釈金を支払ってくれたようだ。
男性に連れて来られたホテルで玲斗を待っていたのは、千舟と名乗る老婦人。
彼女は玲斗の亡くなった母の異母姉妹だった。
高級ホテルグループの顧問を務める彼女から任されたのは、月郷神社の管理人兼クスノキの番人。
新月と満月の日に、クスノキにお参りに来る人々。
彼らは何をしているのだろう?
千舟に聞いても、参拝者に聞いても教えてくれない。

あなた自身が感じ取るものです。

愛情不足ではなかったはずだが、貧しい家庭に育ち、母親は過労の為病気になり、早くに亡くなった。
自分の人生や世間を諦めていた玲斗。
しかし、千舟や参拝客と関わるうちに、本来持っていた明晰さ、行動力が目覚め、驚くべき行動に出る。
クスノキの正体とは?
そして、参拝客はクスノキに向かって何を願うのか?

常に見事な論理で読者を驚かせる東野先生がこのような作品を書かれるとは驚きです。
新たな扉を開かれましたか?
それにしても月郷神社のクスノキを実際に見てみたいです。

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