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ことわざ

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故事・ことわざのまとめ。思うこと。 日本人の文化として根付いてきたものは何か。 庶民の暮らし・平凡な生活の中で、大切にしていた目に見えないもの。 言葉の中にある忘れてはいけない何…
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2022年9月の記事一覧

細く長く愛せよ:激しい恋愛は長続きしないものだから、程よく長く愛しなさい。シェイクスピアの名言を日本語に訳した言葉。欧米と違い 日本語では主語が省略されやすい。道徳を演技で学んでいた歴史から前後の行動で感じる言葉を表さない文化が根強くある。心の些細な動きを日本語に訳すのは難しい。

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傷口に塩 : 傷口に塩をつけると痛みはさらに強くなる。悪い物事が起こっている時、さらに困難が重なって起こることの例え。「塩を塗る」のは、弱っている人の傷口に薬ではなく塩を塗りつけて、わざと傷を悪くする行為のこと。
災難は避けられないが、人の行為なら止めることができるかもしれない。

天災は忘れた頃にやってくる:自然による災害は、その被害を忘れた時に再び起こるものだという戒め。寺田寅彦による随筆から引用され伝えられている名言。
地震や津波は予測がつかない。過去の教訓から学んで知恵をつけておく事、防ぐための準備を常に備えるよう 忘れやすい人々に思い出させる言葉。

星守る犬:卑しい者が到底叶うと思えない望みをもつこと。日本にも身分制度があり厳格に定められていた時代があった。「卑しい」とは身分が低いこと。家畜である犬は人よりも下の身分に例えられる。現代では誰もが当たり前となった行動でも、身分の違いで場合によっては死罪に値した歴史を感じる言葉。

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過ぎたるは及ばざるが如し:度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くない。過不足なく偏りのない徳を持って判断する「中庸」の考え方がある。その時々の物事を判断する上で 常にどちらにも偏らず、自然な普通の感覚でも理解できると良いとされる。中立を守るのは、案外 難しいものだと思う。

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去る者は追わず 来る者は拒まず:離れていく相手を引き止めたりはせず、やって来る相手は誰でも受け入れる。他人の行動は相手の自由に任せて、自分は全く気にせず、こだわらない。自分より相手の思いを尊重しながら、自分自身も 訪ねてきた相手を感情で差別をせずに受け入れる。いい関係を築く極意。

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猿も木から落ちる:木登りが得意な猿であっても 誤って落ちることがある。人の失敗をかわいい仕草をする動物に例えている言葉。手慣れた事をする人でも 時には失敗があることの例え。その道を極めて失敗などないという完璧な名人が 少しだけ見せる失敗は人に笑いを誘う。完璧な人間は面白くもない。

短気は損気:すぐに腹を立てたり、なげやりになったりすると、自分の損になる。物事を早く進めたいのであれば、冷静な判断を行うこと。 怒りの感情に任せてイライラしている状態では、物事を見極められずに 失敗や損をする確率が高くなる。性格は自身の訓練次第で治せる。用心するよう戒める言葉。

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虎狼より人の口畏し:虎や狼なら凶暴だとしても逃げ出す方法を見つけ害を防げるが 、人の悪口から身を守ることは難しく容易ではない。「畏し(かしこし)」とは、自然現象を恐れ敬う時に使う古い言葉。他人が自分の事を悪く言うことで受ける精神的な苦痛や 思いも寄らない災難は、今も昔も恐ろしい。

櫂は三年櫓は三月:人力の漁船で自由に舟を操るために使う道具、櫂(かい)と櫓(ろ)その技術を習得するためには、船の横にある櫂なら3年、後ろに付いていて比較的進めやすい櫓でも3ヶ月かかる。技術を得るには ある時期の訓練が必要。生活の為手段は変わっても 覚悟を持つように促している言葉。

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