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「大濠テラス 八女茶と日本庭園と。」を見学。

リズムデザインの代表を務める建築家の井手健一郎さんに誘われて、オープンした大濠公園の八女茶を提供するカフェ『大濠テラス』を見学させて頂いた。

福岡県の公募設置管理制度(Park-PFI)のプロジェクトで、井手さんにとっては、福岡市の水上公園(PPP)に続いて2度目のプロジェクトとなる。

コストが厳しい中、海外での木造の仮設プロジェクトの経験と技術を生かして、金物を一切使わないCLTの木造建築物を実現させている。写真に見える木栓の部分はドリフトピンを隠しているわけではなく、木栓で留めているという。

1階にある大きなテーブルもCLT。

軽快な表しの構造に合わせたシンプルなディテールたちが、とても親しみやすい空間を作っている。コーディネートされた家具たちも、繊細なデザインながら威圧的な印象はない。商業建築やインテリアの経験も豊富な井手さんらしい仕事である。

大濠公園の池に向かって大きく開いた開口部。軒は低く、木造の落ち着いた空間から大濠公園の風景を望むことができ、居心地がいい。

八女茶を提供するカフェということもあり、主なメディアでは”和風”建築物として紹介されているが、独自に開発した構造施工技術により実現した挑戦的なプロジェクトだった。訪れた印象も日本庭園に隣接しているということから、外部空間を連続させるために和風の植栽が成されているが、建築そのもののは無国籍な印象だった。

施工にはかなりの労力が必要とするが、金物を使わない今回のシステムを販売し、市場に流通させることも検討しているそうで、一種のモデルビルディングのような役割も担っている。

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