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【保存版】東洋医学の風邪の対処方法について

新型コロナウイルス感染が増えていて、どのように対処したらいいのか?たくさんのお問い合わせがあるので、対処方法について書かせていただきました。

新型コロナウイルスに限らず、風邪全般について書いていますので、読んでいただくと、次に風邪を引いた際の手引きになると思います。

「こうすると治るよ!」というのではなく、「あれ…コロナにかかったかな…」と思った方に向けたものになります。

風邪の時、初期対応が大切なんです。

どのように初期対応をしていったらいいのか?できるだけ簡単に書かせていただきますね。

熱が出たらどうするか?熱に対する対処方法


まず、熱が出たらどうするか。

熱が出るのにも理由があるんです。

熱が上がった方が、ウイルスや細菌に対して対処しやすいんです。

なので、熱が上がった際、無闇に下げない方がいいのです。

ただ、あまりにも熱が出すぎる場合は、熱を下げることも大切。40〜41℃まで熱が上がった場合、解熱剤を使った方がいい場合があります。

高い熱が出た方がいいと勘違いしている人も多いので、熱は上がればいいというわけではないの注意してください。

新型コロナウイルス、型によって熱の出方がまちまちです。今(2023年1月11日)、流行っている型は、39℃くらいまで熱が出ますが、40℃まで熱が上がらないケースが多いです。

たくさんの方が熱が出ているのに、自分は熱が高くならないという場合、熱を出すからだの働きが鈍っている場合があります。

私が習った方法だと、後頭部は冷やさない方がいいということ。

熱に対する初期対応は、後頭部は冷やさず、むしろ後頭部は温めた方がいいというのが私の習った方法。

ホットタオルを使った後頭部を温める方法


ここのところが大切なのですが、熱がまさに高くなって、39℃くらいになった段階ではなく、熱が上がってきたかなぁという時期、または、いつも熱が上がらず、周りの人よりも熱が上がりにくいという実感がある方、からだがだるくなってきて、熱が上がりそうだなぁという段階に行ってください。後頭部を温めてあげると、熱は上がりやすいです。

熱が上がりにくい場合、長引くケースが多いので、対処方法を書きますね。

もう一度書きますが、熱が高くなった段階ではなく、熱が上がりはじめた初期と、熱が上がりきらないくらい鈍っている場合に効果がある方法で、熱が38〜39℃まで上がっている人は行わないこと。

まず、濡れタオルを作ります。タオルを濡らせばいいんですよ。適度に絞ってください。きつく絞らなくても大丈夫。しっとりしているくらいがいいです。ボタボタ水が垂れるイメージではないです。

「タオルはどんなタオルがいいですか?」という質問がうるのですが、一般的タオルで、よく、スーパー銭湯などで、からだを洗う際に使うタオルがベストです。なければ厚手のタオルでも大丈夫。

濡れタオルを作り、手の大きさくらいに折ります。

縦長のタオルを二つ折りし、さらに折って、もう一回折り畳む感じ。

これを、電子レンジ(500W)で1分半温めます。熱くなるので注意してください。

「電子レンジがないのですがどうすればいいですか?」という質問もあるのですが、お湯でホットタオルをやけどしない程度で作ってください。

ホットタオルを、ビニールなどに入れず、直接後頭部に当てます。盆のくぼと呼ばれる、くぼんでいるところを中心に当てます。

後頭部の奥に、延髄という体温調節をする場所があるのですが、後頭部周囲に気の滞りがあると、熱が出にくい場合があるのです。

後頭部にホットタオルを直接当ててください。温めたホットタオルが冷えるという、温度差によってからだが調節されます。

冷えるまで、冬で7分ほど、夏で9分くらいでしょうか。

うつ伏せに寝て後頭部に乗せたり、枕の上にホットタオルを乗せて仰向けに寝るのでも大丈夫。

冷えたら再度加熱します。再加熱の時は、1分で大丈夫。

加熱して冷える、加熱して冷える…と繰り返し、合計40分ほど後頭部を温めます。

熱が出そうな時の対処方法は大体このホットタオルで大丈夫です。

熱が出にくいと感じている方、普段から首と肩が凝りやすい方、初期にやっておくと、風邪が長引きにくいです。

私は、ホットタオルではなく、小豆250グラムを入れた、ハーブボールを使うことが多いです。



小豆250グラムを布巾でくるんで、取っ手のように糸をグルグルと巻いて作ったもの。

私の子どもが風邪を引いたとき、電子レンジで2分ほど加熱して、当てたり離したり、当てたり離したりを繰り返して行います。冷えたら再度加熱して、合計40分ほど温めます。何度も使えるので便利です。

濡れタオルを団子状にして2分ほど加熱して、さらにもう一枚のタオルでくるみ、取っ手のようにしてもって頭に当てたり、離したりを繰り返す方法でもいいです。

私は当てたり離したりをして行いますが、大変な人が多いので、ホットタオルを乗せるだけで大丈夫。

熱が出たら、お風呂は入らない方がいいです


熱が上がっている段階で、お風呂に入りたがる人がいるのですが、お風呂、控えてください。

風邪を引いたとき、からだが冷えるからとお風呂に入る方が多いのですが、お風呂って10分入ると、100メートルを全力疾走するくらい体力を使います。

エネルギーがそがれますし、熱が上がりすぎるリスクもあるので、お風呂に入って冷えを取ろうと思わず、タオルでからだを拭くくらいがいいです。

よく、「お風呂に入ってはダメというのはわかりましたが、髪の毛は洗ってもいいですよね?」という質問がくるのですが、髪の毛洗っちゃダメです。

風邪を引くと、からだを覆っているバリアのような膜が不安定になり、たくさんの気が集まっている頭を洗うと、バランスが崩れやすくなるため、頭を洗わない方がいいです。

元気な時は大丈夫なことも、からだが変動している時にはリスクになることもあります。

熱が出ている時には動いて、平熱以下になった時に安静にする


熱は、熱が上がっている時で、食欲があったり、少しだるさはあっても普段と同じように動ける。場合は、寝込まずにいる方がいいです。

大切なことなのですが、熱が高い時ではなく、熱が平熱以下になった時には安静が必要だということ。

平熱以下の時、からだの抵抗力が弱っています。

大体、風邪がぶり返す方は、この平熱以下の時期に安静にしなかったパターンが多いです。

新型コロナウイルスに限らず、お子さんの熱が下がったからといって、幼稚園に復帰させない方がいいです。

熱が高くなった時ほど、平熱以下の時間は長くなる傾向にあります。

平熱以下になる時期は、寝ている時が多いそう。大体、4時間〜8時間くらい続くのですが、朝起きた時に熱を測って、明らかに熱が平熱より低かった場合、安静にするのがいいです。

日中に平熱以下になる時もあるのですが、からだはダルイのに、熱を測ってもものすごく体温が低い状態になっています。

熱が出たとき、あまりにもからだがしんどい場合は、安静にしていてくださいね。

のどが痛くなった時の対処方法


のどが痛くなったら、「酢」でうがいをしてください。

東洋医学では昔から行われている方法で、酢を薄めてうがいをすると、のどの痛み、腫れが引きます。

酢は玄米酢がベスト。穀物酢でも、米酢でもいいです。

薄めて、むせない程度の濃さがいいです。

私、水が飲めないくらいのどが腫れたことがあるのですが、酢でうがいをしたら、たちどころに水が飲めるようになりました。かなり即効性があるので、是非試してください。

呼吸器系の風邪には「足湯」をする


咳が出たり、喉が痛くなる場合、足湯が効果的です。

今回の風邪の場合、熱が出ても足だけ冷えている方が多い印象があります。

足の冷えがあると、風邪の経過がうまくいかない場合があります。

足の冷えを感じている場合、足湯を行ってください。

足湯の方法は『風邪の効用』著:野口晴哉 ちくま文庫を参考に載せます。

 【足湯の方法】
両足を入れ、くるぶしまでお湯が浸かるくらいの洗面器を用意する。

やかん、ポットなどにお湯を沸かし、お湯が冷めないように差し湯ができるようにする。

 ①足湯に先立って、コップ一杯の水を飲むこと。

②足湯をするには、入浴温度より2度5分~3度高い湯にくるぶしがかくれるまでつけ、6分間保つ。

お湯の温度が下がらないように、差し湯をしながら行なうこと。

 ③乾いたタオルでよゴシゴシとく拭き、発赤の薄い側を2分間追加して終了する。

洗面器の中に粗塩をひとつかみくらい入れると更に効果的です。

足湯はいつ行ってもいいですが、就寝前が一番効果的です。

風邪ではなくとも、足が冷えて温まらない方、日頃の入浴の際、全身温まった後に湯船に腰をかけ、お風呂を追い炊きして少し温度を上げて、両足を膝から下、足湯を5分くらいしてから出ると足が冷えずに寝やすくなりますよ。

頭に上がった気が、下に下がりやすくなります。

咳がなかなか引かなかった時の対処方法

咳がなかなか引かず、長引いている場合、からだが捻れている場合があるんです。

捻れの検査として、できれば正座がいいのですが、正座するか、正座ができない場合、椅子に座ってください。

座り、からだを捻ります。息を吸いながら、自分の背中を見るくらいのつもりで、できる限り捻ります。これを、左右で行い。捻りにくいか、捻った際に息が深く入りにくい方が、滞っている側になります。

からだの捻りに左右差がある場合、うまく咳が抜けないことが多いです。

息を吸いながらからだを捻って、捻り切った脱力して真ん中に戻るという体操をしましょう。

左右交互に、できる限りゆっくり、息を吸いながら行い、交互に7回ずつ行います。

立って行うと、股関節を中心にからだを捻ってしまい、からだの捻れがわかりずらいので、正座か椅子に座って行ってください。

体操をして、左右差が取れない場合、足湯をして、捻りにくい側の足に対して2分足湯を追加してあげると効果的です。

それでも改善しない場合、捻りにくい側の内股が詰まっている可能性があります。内股の付け根側を、両方の手の拳で叩くと効果的です。マッサージするよりも、叩いた方が変化出やすいと思います。

捻りの左右差が取れるまで行ってください。

鼻水、たんが止まらない場合

鼻水は、甘いものを食べ過ぎると出やすくなります。鼻も詰まりやすくなるので、甘いものを控えると鼻水や、鼻の通りがよくなります。

甘いものは、水を停滞させる作用があるんです。

たんが絡みやすい場合も甘いものを控えましょう。

目を休める

風邪を引いた際、目を休めてください。

風邪を引いてお休みだからといって、ケータイを見すぎたり、テレビを見すぎると風邪の経過がうまくいかず、長引くことが多いです。

目を休めましょう。

たまっている仕事があっても、できる限りからだと、目を休めてあげることが大切です。

食欲がなかったら、食べなくてもいい

風邪がからだの深いところに入れば入るほど、食欲がなくなったり、便秘や下痢などの便通異常が出ます。

食欲がない場合、食べなくても大丈夫。

しっかり水分は摂ってください。こまめな水分補給が大切です。

病の深さというもの


東洋医学では、「病位」といって、どのくらいの深さに病があるのかを診る方法があるのですが、からだの外から、体表面に「邪気」が入り、徐々に深くなって、五臓六腑にまで侵襲していくという考え方があるんです。

風邪を引いた時、初期は発汗して汗がものすごく出てきたり、逆に全く出なくなったりするのですが、この時、邪気は浅い部分にあります。

発汗異常が起こったら、関節痛が出たり、頭が痛くなったりした経験があるはず。

徐々にからだの深い部分に邪気が入っていくのです。

食欲が落ちたり、便通異常が出た場合、風邪が五臓六腑にまで入っているんです。風邪の経過も長くなる傾向にあります。

なので、食欲異常や便通異常が出る前に風邪を経過させてあげることが大切です。

風邪の初期、熱が出てきた時はからだを軽く動かしたりして、しっかりと熱を上げ、背中からうっすらと軽く発汗させてあげることも大切です。汗をかいたら拭くこと。

ただ、サウナとかで発汗させるのではなく、動いたり、お布団をかけてからだを温めて、内側から発汗することが大切です。

最初はジトッと、からだにまとわりつくような汗をかき、そのあとサラッとする汗になります。

風邪の経過について


風邪に限らないのですが、基本的にからだの反応って  「弛緩期」「過敏期」「排泄期」の三つの経路を順番に経過します。(『整体入門』著:野口晴哉 ちくま文庫)

最初、からだがだるくなって、風邪を引いたかなぁと自覚して(弛緩反応)、熱が出たり、喉が痛くなって、咳がたくさん出たり(過敏反応)、たんが出たり、鼻水が出たり、便通があったり(排泄反応)して、治っていくんです。

この三つの反応が滞りなく行われるのが大切。

途中で滞りがあると、経過も長引くのです。

まとめ


私がお伝えさせていただいている方法をまとめてみました。

まとめとして、初期対応がすごく大切だということ。

熱が出る前、熱が上がってきた時なら、とりあえず後頭部を温めてみてください。熱が上がりやすくなります。

熱が上がりきらないと長引いたり、ダラダラと経過する傾向にあるので、しっかりと熱を出してあげること。

熱が出すぎた場合、解熱剤を使うことが必要なこともあって、熱が上がればいい訳ではないということ。

熱が高い時には動き、平熱以下に下がっている時には安静が必要なこと。平熱以下の時に動くとぶり返す可能性があること。

のどが痛かったら酢でうがいをすること。

咳が抜けない場合、からだが捻れている可能性がある。

食欲が落ちたり、便通異常がない場合は経過が早いこと。

経過がスムーズに行われれば、自然治る。目を使いすぎると経過が遅くなる。

…ざっとまとめてみました。

どんな病の時でもそうなのですが、経過がわからなかったり、対処方法がわからないから不安になるんです。

わかっていると不安はなくなるもの。

対処方法がわかっていると御守りになるというか、何も知らない時よりも、安心感があるはず。

ご質問があれば、コメントでも、メッセージでも、遠慮なくください。

みなさんが安心して、からだの経過を見守ることができることを願っています。

【参考文献】
『整体入門』著:野口晴哉 ちくま文庫
『風邪の効用』著:野口晴哉 ちくま文庫

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