創作エッセイ(59)昭和日常博物館(北名古屋市)


 平成の頃から昭和レトロが定着してきた令和であるが、この北名古屋市の昭和日常博物館(正式名・北名古屋市歴史民俗資料館)こそ、この昭和レトロをテーマにした日本で最初の博物館である。
 1990年に開館。1991年の「ナツカシイってどんな気持ち~ナツカシイをキーワードに心の中を探る」という企画展示から、単に懐かしむ、楽しむ博物館から、高齢者に昭和時代の電化製品や生活の道具、雑貨を見てもらうことで、当時の記憶を鮮明にし思い出を取り戻す回想法として高齢者の物忘れを防止するという新しい博物館の役割を見出した。
 現在は「思い出(回想法)事業」という位置づけになっている。

昭和の店頭
昭和の居間
地下には車両も展示

 昭和33年生まれの私は、この北名古屋市と隣接する名古屋市北区の公団住宅で少年時代を過ごしている。ここの展示は刺激的で、定期的に訪問している。
 最近は、1972年を舞台にした小説を書いているので、イメージの刺激として頻繁に訪れている。これほど充実した展示でありながら、入場料は無料なのもうれしい。館の一階と二階は北名古屋市図書館になっている。ここも立派な図書館である。
 市役所の庁舎の西に隣接していて駐車場も利用できる。何度も訪問してるのは、開館当時から比べて、俺も高齢者になったからなんだなと苦笑い。

昭和日常博物館


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?