ブックガイド(139)「FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 」


被疑者を勾留中に、圧迫的取り調べで自死させてしまった神奈川県警刑事・木下清花。県警捜査一課を追われ、追い打ちをかけるように夫から離婚を切り出される。
新たな異動先(左遷先?)の「警察庁特捜地域潜入班」は、組織のはみ出し者が集められた新設部署だ。
最初に捜査対象となったのは栃木の村落で発生した「児童連続神隠し事件」。
その地では古くから、子供をさらう「ヤマヒト様」伝承が存在しており……。という伝奇的ホラー的な出だしにぞくぞくする。
清花たちは事件の真相を追い、村落への潜入捜査を開始するのだが、これが逮捕権のない捜査なので、じわじわと地域になじんでいく活動となる。これが新鮮だった。
清花は、この捜査を通じて、激務ですり減らしていた感情を取り戻していく。これがもう一つのストーリー。
ラストのハートウォーミングなどんでん返しに唸った。
この作品もキャラクターが面白い。班長の土井火斗士、私の脳内では滝藤賢一がキャスティングされてしまいました。
新ヒロインの警察小説、第1弾。
FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花
(追記)
藤堂比奈子シリーズの最終巻が届くまでに、こっちのシリーズ読み始めたわけですな(笑)

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